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建材トレンドレポート
「薄型大判タイル」

2017.04.03 | REPORT

ヨーロッパで新しいトレンドとして定着しつつある薄型大判タイル。加工技術の発展でより使いやすくなった同製品のトレンドをレポートする。

薄型大判タイルは、ヨーロッパでは10年ほど前より市場に登場、新しいトレンドとして定着しつつある。600〜1000㎜といったサイズから普及し、大型の高圧プレス成型機や厳密な焼成温度管理など技術の進歩によって、現在ではおおよそ1.5m×3mというサイズ、厚さは3~10㎜以下のものが多く見られるようになった。技術的には4〜5mのものも可能という。



パテントを持つ設備メーカーが製造ラインを世界中に販売し、大手も多数参入したことから、ここ数年でヨーロッパだけでなく、北米やアジア、中東でも採用されている。 ヨーロッパでは天然資源である石材への環境意識も強く、大理石をリプレイスするという位置づけでもある。「セラミックスラブ」と言われ、工場で生産される新世紀の石材といってもいい。背景にはいわゆる“石の建築文化”もあり、大量に、大面積の仕上げでタイルを使うというニーズが高いこともある。薄く、軽いため、搬入・施工・安全対策など石材に比べると、コスト的にも有利だ。



タイルそのものに可撓性——フレキシビリティがあるため、曲面にもある程度追随する。製品によっては、アール面も施工できるという。 またインクジェットや施釉などによる表面を加飾する技術の向上も著しい。石や金属、コンクリートなどの素材を見事に再現しているものが多い。特に石目調のタイプでは、模様を表面だけでなく内部にまで再現することにより本石同様に表面や小口の磨き加工ができるタイルも製品化されている。また、従来の素材を再現するだけでなく、オリジナルデザインや質感を持つ製品も開発されている。



実際に床から天井高いっぱいまで目地のない1枚のタイルで施工された状態では、一般のユーザーはもちろん、プロでも先入観や経験則が邪魔して、素材を特定することができないだろう。視覚的・感覚的な錯誤を起こさせることも含めて、デザイン的なインパクトはとても大きい。



加えてタイルは、意匠もさることながら、耐薬・耐熱・耐候性を備え、傷や磨耗にも強いなどその機能性も、他の素材と比べても有利な部分が多い。特に日本では、品質が安定しており、メンテナンスコストが小さいという部分は、今後より重視されるだろう。商業施設のようにパブリックな性質を持つ空間や建築では、素材のさまざまなリスクについて設計者・施工者は鋭敏にならざるを得ない。風化した素材の持つ、かつては風情や味わいとして楽しむこともできた、時間の経過跡や不規則な化学変化をも管理しなくてはいけない時代になっている。



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