-
最新イベント情報
2024.08.16
-
カルロ・スカルパ/
関谷正昭設計と写真に見る庭園
~2024年9月5日
〔東京〕
午前10時30分~午後5時30分(午後1時~午後1時30分を除く)
入場料/無料
会場/イタリア文化会館
東京都千代田区九段南2丁目1-30
休館日/日・月曜日
詳細/https://iictokyo.esteri.it/ja/
イタリアの建築家、カルロ・スカルパ(1906-78)の作品の中から、写真家・関谷正昭(1942-2002)が撮影したクエリーニ・スタンパーリア財団の庭園とサン・ヴィート・ディ・アルティーヴォレ(トレヴィーゾ)にあるブリオン家の墓の写真を展示する。スカルパの空間の捉え方や素材、色彩、模様など細部まで重視した建築手法が表現されたこれらの写真の他、スカルパによるブリオン家の墓の設計スケッチや1969年に京都で撮った庭園の写真も合わせて展示する。
LONG LIFE DESIGN3
NIPPON UMAMI TOURISM
植生と文化をまるごと味わう風土に還るうまみのデザイン
~2024年9月15日
〔東京〕
正午~午後8時
入場料/ドネーション形式
会場/d47MUSEUM
東京都渋谷区渋谷2丁目21-1 渋谷ヒカリエ8階
休館日/なし
詳細/https://www.d-department.com/item/NIPPONUMAMITOURISM.html
d47MUSEUMでは2012年の開館以来、伝統工芸から若い世代によるクリエイション、観光や食文化まで、さまざまなテーマで47都道府県の個性を紹介してきた。この「LONGLIFEDESIGN」展は、未来のデザインを考える展覧会シリーズとして、第1回は18年に「健やかなデザイン」を、第2回目は20年に「祈りのデザイン」を開催した。第3回目となる今回は「うまみ」をキーワードに、47都道府県の郷土料理と、その文化を伝える活動から、食のLONGLIFEDESIGNを考える。日本を発祥とし、今や世界共通語となっている「UMAMI」を、味覚としてのうまみを指すだけではなく、それが生まれた背景も含めて語られるべきものと捉え、その土地で生きる知恵として受け継がれてきた、それぞれの風土につながる47の「うまみ」を通して、各地の食の風景を感じてもらう企画展だ。
ポール・ケアホルム展
時代を超えたミニマリズム
~2024年9月16日
〔東京〕
午前10時~午後6時(9月6、13、14日は午後8時まで開館)
入場料/一般1200円 65歳以上1100円 高・大学生700円 中学生以下無料
会場/パナソニック汐留美術館
東京都港区東新橋1丁目5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
休館日/水曜日(9月11日は開館)
詳細/https://panasonic.co.jp/ew/museum/
イスは、私たちにとって最も身近な道具の一つだ。その造形は、座るための合理的な機能を追求しながらも、彫刻作品のような自律した美しさを宿している。とりわけ前世紀の優れた建築家やデザイナーが手掛けたイスは、時代を超える名作として浸透し、近年ますます関心が高まっている。
本展で紹介するポール・ケアホルム(1929-1980)は、20世紀デンマークを代表する家具デザイナーだ。ミッドセンチュリーの北欧家具といえば、温もりのある木調のデザインを思い浮かべるかもしれない。しかしケアホルムの特徴は、当時では珍しく、石や金属などの硬質な素材を取り合わせた厳格なデザインにある。それでいて各々の家具は決して冷たい印象を与えず、置かれる空間に心地良い緊張感をもたらす。古びることのない、ミニマルで清潔な造形に凝縮されたケアホルムの仕事は日本の建築ともよく響き合い、国内の愛好家の間でも根強く支持され続けている。
本展は、長年にわたりイス研究と収集を続けてきた織田憲嗣氏(東海大学名誉教授)のコレクションを中心に、ケアホルムの主要作品を網羅した、日本の美術館では初めての展覧会となる。織田コレクションを有する北海道東川町の協力の下、家具約50点と関連資料を紹介すると共に、ケアホルムのデザイン哲学と洗練された家具の造形美を、気鋭の建築家・田根剛氏の会場構成により楽しんでほしい。
内藤礼生まれておいで生きておいで
~2024年9月23日
〔東京〕
午前9時30分~午後5時
入場料/一般1500円 大学生1000円 高校生以下無料
会場/東京国立博物館
東京都台東区上野公園13-9
休館日/月曜日(9月16、23日は開館)、9月17日
詳細/https://www.tnm.jp
本展は、当館の収蔵品、その建築空間と美術家・内藤礼との出会いから始まった。内藤が縄文時代の土製品に見いだした、自らの創造と重なる人間の心。それは、自然・命へのおそれと祈りから生まれたものであり、作家はそこに「生の内と外を貫く慈悲」を感じたと言う。会期中、自然光に照らし出される展示室では、かつて太陽と共にあった生と死を、人と動植物、人と自然のあわいに起こる親密な協和を、そっと浮かび上がらせる。本展を通じて、原始この地上で生きた人々と、現代を生きる私たちに通じる精神世界、創造の力を感じてほしい。
平田晃久─人間の波打ちぎわ
~2024年9月23日
〔東京〕
午前10時~午後6時
入場料/一般1000円 高・大学生、65~74歳800円 中学生以下、75歳以上無料
会場/練馬区立美術館
東京都練馬区貫井1丁目36-16
休館日/月曜日(9月16日は開館)、9月17日
詳細/https://www.neribun.or.jp/museum.html
「建築とは『からまりしろ』をつくることである」というコンセプトは、平田の建築に一貫している。平田の造語である「からまりしろ」とは、はっきりと形づくられる空間領域とは異なり、「ふわふわとした隙間の錯綜」、つまりはあらゆる物質の傍らとも言える領域の重なりを指す。それは人間世界に限ったことではなく、植物や動物、異なる時空の文化なども含んだ広義での生命体との共有可能性を探る試みでもあり、人間が狭い意味での「人間」から自由になる未来に向けた試みでもある。
平田のコンセプトが形となった公共建築としては、2022年に日本建築学会賞を受賞した「太田市美術館・図書館」(2017年)が代表されるが、区切られた空間や内と外が絡まりあう「からまりしろ」を実現した地域のランドマークとして市民に愛されている。また複数の住居や商業施設なども手掛け、平田の哲学的理論と自然や生命への憧憬が反映された独創性あふれる空間を現出している。
この度、これらの代表的な建築作品群に、練馬区立美術館も新しく加わることとなった。図書館と一体化し、融合する新生美術館の建築コンセプトは、「21世紀の富士塚/アートの雲/本の山」。練馬に古くから存在する「富士塚」をテーマに、「美術と本」を街や人々とつなぐ場として構想された。当館は約40年にわたる歩みを継承しつつも、このコンセプトの下、新しい局面を迎えることとなる。
本展では、これまでの平田建築から新しい練馬区立美術館を始め、現在進行中のプロジェクト、そして未来への展望を踏まえて紹介する。
夏にたのしむ器竹のかたち×陶のいろ
~2024年9月23日
〔栃木〕
午前9時30分~午後5時
入場料/一般、高・大学生800円 中学生以下無料
会場/栃木市立美術館
栃木県栃木市入舟町7-26
休館日/月曜日、9月17日
詳細/https://www.city.tochigi.lg.jp/site/museum-tcam/
2022年に開館した栃木市立美術館は、前身であるとちぎ蔵の街美術館のコレクションを引き継ぎ、栃木市ゆかりの作家を中心に洋画、日本画、版画、彫刻、工芸などを収蔵している。なかでも近現代に活躍した二代飯塚鳳齋と琅玕齋、弟子の齋藤文石の竹工芸は、同館のコレクションの特色となっている。
本展は「夏にたのしむ器」をテーマとして、収蔵品を中心に竹の花籠などの形、陶磁器や水滴に装飾された色に注目する。竹工芸は個人コレクターの協力を得て、初代と二代の田辺竹雲斎の作品を展覧し、東京と大阪の竹工芸の一端を紹介する。陶芸は重要無形文化財保持者(通称人間国宝)に認定されている富本憲吉、浜田庄司、加藤土師萌、近藤悠三が優れた技で表現した装飾を、同館の寄贈コレクションの陶磁器や水滴に見る。猛暑が予想される今夏。夏ならではの涼やかな趣を、絵画と書の作品を交えた約80点から楽しんでほしい。
英国ロンドン派
~2024年9月23日
〔栃木〕
午前9時30分~午後5時
入場料/一般、高・大学生600円 65歳以上、小・中学生300円 幼児無料
会場/益子陶芸美術館
栃木県芳賀郡益子町大字益子3021
休館日/月曜日
詳細/http://www.mashikomuseum.jp/index.html
欧州の中で陶芸大国として名高いイギリス。なかでも首都ロンドンでは多くの陶芸家が活躍し、人気を博している。オーストリア出身のルーシー・リー(1902-1995)やドイツ出身のハンス・コパー(1920-1981)などから始まり、現在では、ジュリアン・ステア(1955-)やジェ二ファー・リー(1956-)といった活躍中の陶芸家も数多くいる。
日本と英国の陶芸の関係をたどると、1920年にバーナード・リーチが濱田庄司と共に日本風の3室の登り窯を築いた時代にまでさかのぼり、更にリーチ工房と益子町との関係は現在も続いている。昨年開館30周年を迎えた同館では、2011年に「ある日のヴァンガード・コート」、13年に「LeachSchool」、18年に「英国ラブリィ~派」というように、英国陶芸作品をさまざまな切り口で紹介する展覧会を数多く開催している。また、14年度よりスタートした「益子国際工芸交流事業」では多くのイギリス陶芸家を招しょうへい聘し、滞在制作が行われてきた。
本展覧会では、当館のコレクションの核のひとつでもある英国陶芸の中からロンドンに焦点を絞り、今回新たに「ロンドン派」と名づけ紹介する。
古伊万里から見る江戸の食展
~2024年9月29日
〔東京〕
午前10時~午後5時(金・土曜日は午後8時まで)
入場料/一般1200円 高・大学生500円 中学生以下無料
会場/戸栗美術館
東京都渋谷区松濤1丁目11-3
休館日/月・火曜日(9月16、23日は開館)
詳細/https://www.toguri-museum.or.jp/index.php
2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」とは、日本の伝統的な食文化を指す。四季折々の旬の食材の使用に始まり、調味や調理技術、盛り付けの美しさ、更には使用する食器や食事をする部屋の設えといった食空間の表現も、和食の持ち味として重要視された。
江戸時代に誕生した伊万里焼は、食器として主に大名や公家などの上流階級層に流通した。現代の食文化のルーツとされる江戸時代後期には料理文化が著しく発展し、磁器需要の裾野も広がりを見せる。多彩に展開していく器種の中から定番化した形や文様には、現代の食卓にまで引き継がれたものも少なくない。
今でこそ鑑賞品として美術的な価値を見いだされている伊万里焼だが、今展では「使う」ことに着目する。食事の場面で伊万里焼がどのように使用されてきたのかを、約80点の出展作品からひもときつつ、江戸時代の食文化を紹介する。
シン・東洋陶磁─MOCOコレクション
~2024年9月29日
〔大阪〕
午前9時30分~午後5時
入場料/一般1600円 高・大学生800円 中学生以下、大阪市内在住の65歳以上無料
会場/大阪市立東洋陶磁美術館
大阪府大阪市北区中之島1丁目1-26
休館日/月曜日(9月16、23日は開館)、9月17、24日
詳細/https://www.moco.or.jp
1982年に開館し、既に40年以上を経た大阪市立東洋陶磁美術館。この度約2年間の改修工事を終え、リニューアルオープンする。周辺環境を始めとした時代の変化を踏まえ、今回の改修では、より多くの市民や利用者に親しまれ、さまざまな人々とつながる美術館に生まれ変わることを目指し、エントランスホールの増改築を始め、展示ケースの改修やLED照明の更新など展示環境の整備、そして国宝「油滴天目茶碗」専用の独立ケースの導入などを実現した。
リニューアルを記念した本展では、大阪市立東洋陶磁美術館(MOCO=モコ)が世界に誇る「安宅コレクション」や「李秉昌コレクション」を中心に、当館所蔵の珠玉の東洋陶磁コレクションなど約380件を、装い新たに展示する。
タイトルの「シン」には、「新」たなミュージアムへと歩み始めること、「真」の美しさとの出会い、「心」がワクワクする鑑賞体験を、という三つの願いを込めている。大阪市立東洋陶磁美術館の原点で在り続ける珠玉のコレクションの新たな魅力と価値に出会える、「シン・東洋陶磁」を体感できるだろう。
Fromto
~2024年9月30日
〔兵庫〕
正午~午後6時
入場料/無料
会場/VAGUEKOBE
兵庫県神戸市中央区海岸通9-2 チャータードビル4階
休館日/火~木曜日
詳細/https://www.instagram.com/vague_kobe/
写真家・野田祐一郎は、目には見えない物を捉えるかのように、日常に潜む空気のささいな微差や、そこに存在する時間を表出させる写真家だ。彼の目により切り取られた世界は、鑑賞者に静かな余韻をもたらす。
今回の写真展では、作家自身が南仏・アルルの街を訪れる中で出会った景色を、アルルにも拠点を持つ「VAGUEKOBE」(24年8月号)で展示することにより、写真を通して二つの場所をつなぎ合わせる新しい試みだ。アルルは豊かな光と石灰岩でつくられた独特の色合いが特徴的な街だが、野田が捉えたのはまた彼自身にしか見つけられないそれらの断片。
現地の自然素材を活かしてつくられたVAGUEKOBEの土壁は、部屋ごとに空気を変え体験の質も変化させている。その空間にそれらの写真が合わさることにより、鑑賞者に写真とは、空間とは何かを問いかける。
ピカソいのちの讃歌
~2024年10月14日
〔東京〕
午前10時~午後5時
入場料/一般1200円 学生800円 小学生以下無料
会場/ヨックモックミュージアム
東京都港区南青山6丁目15-1
休館日/月曜日
詳細/https://yokumokumuseum.com/2790/
ヨックモックミュージアムのコレクションをさまざまな視点から紹介する展覧会の第4弾として、「ピカソいのちの讃歌」展を開催する。東京造形大学の元教授でピカソやスペイン美術に関する多数の著書を持つ岡村多佳夫氏と、和泉市久保惣記念美術館の学芸員でピカソ研究の気鋭の若手研究者である町田つかさ氏の二人を監修に迎え、ピカソのセラミック作品にあふれる「生命力」の根源となる、生きとし生けるものに対する深い愛情と共感を、さまざまなモチーフを手掛かりに掘り下げる展覧会だ。
ピカソがセラミック作品の制作を本格的に始めたのは第二次世界大戦後のこと。生まれ故郷のスペイン・マラガと地中海を共有する南フランスに活動の本拠地を移し、その制作にも新たな展開が加わったのだ。
このセラミック作品の特徴のひとつに、ピカソ自身を取り巻いていたさまざまな生き物、命の形を取り上げている点がある。ピカソが生きた時代には、2度の世界大戦を始めとする、さまざまな理不尽な理由が原因で多くの命が失われた。死を恐れる気持ちを強く持つようになったピカソにとって、第二次世界大戦の終結は大きな喜びであり、命の勝利でもあったのだろう。
本展は、それぞれ「ピカソと闘牛」「ラ・パロマ ̶鳩への思い̶」「フクロウ ̶豊かな瞳̶」「手のひらのいのち ̶海の生き物、虫、鳥̶」「いのちを超えて、牧神パンとジャクリーヌ」と題した全5章で構成される。命が煌めく様を見つめ、命の向こう側に輝くものまでも陶土の上に表現しようとした、ピカソの思いを展示する。
“坧(どだい)を拓く / The Basis”
大橋和彰(大橋左官) / Kazuaki Ohashi (Ohashi Sakan)
~2024年9月1日
(東京)
午後1時~午後6時
会場/Vacant/Centre
東京都渋谷区元代々木町27-6
開館日/金、土、日曜日
入場料/無料
詳細/https://www.vacant.vc/event/thebasis
国土の三分の二を森林が占める日本列島の風土が、木造建築の伝統を育み、その歴史とともに土壁は生まれ、左官の技術は磨かれてきた。いわば我々が 住処をつくる営みの原風景として左官はある。
Vacant/Centreの建物の左官を手掛けた大橋和彰は、「自らの生活を豊かにする」ための技術として左官を見出したという。伝統技術への回帰ではなく、日々土や石に触れながら原始的感覚を手繰り寄せ、より本質的に活き生きと過ごすための坧(どだい)を整えるべく、その手を動かし続けている。
本展では、大橋が大橋左官として数々の施工現場に関わりながら、その技術と自由な発想で個人的に創作してきた物物たちを並べると共に、左官の持つ魅力を立体的に展開し、人の生活の原像に想いを馳せる場の実現を目指す。