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乃村工藝社は創業から133年を経て、ディスプレイ・内装などを始めとした空間づくりの分野では日本で最も歴史の長い会社の一つだ。芝居小屋の道具方をルーツに持つ同社は、現在商業施設やホテル、各種の展示施設など、実に多種多様なプロジェクトを手掛ける。
同社の空間づくりで大きなキーとなっているのはクリエイティブだ。デザイナー・プランナー・専門技術者で構成される 600人以上の多彩なクリエイターを擁しており、幅広いプロジェクトに対応している。
中でも商業空間では個性的なデザインチームの存在が挙げられる。「A.N.D.」、「no. 10」、「RENS」、「IVD」、そして「nora」の五つだ。いずれも専門性の高いチーフデザイナーを中心として、 5人から20人程度のメンバーで構成される。“アトリエ系事務所”のようなチームの個性を主軸とした、デザインプロセスの自由度と独立性が高められていて、他に類を見ない。
「A.N.D.」、「RENS」はいずれも商業空間のデザインを数多く手掛け、ホテルなどのホスピタリティ空間でも数多くの実績を誇り、「no. 10」も商業空間を軸に飲食店舗やプロダクトデザインなど幅広いジャンルの実績を持っている。「IVD」はグラフィック・ビジュアルに特化したチームで、ブランディング業務とシンクロさせながら手掛けていくことが多く、社内の空間デザインのチームとも連携する。「nora」は体験・展示系の空間デザインが主になる。直近では、大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン（小山薫堂プロデュース）「EARTH MART」を手掛け、好評を得た。日本空間デザイン賞の最高賞である「KUKAN OF THE YEAR 2025」も受賞した。
同社は、企画から施工・運営まで統括できる「組織力」も大きな強みだ。その組織力に上記600名のクリエイターが融合し、それにより同社の最大のクリエイティビティが発揮され、これからも新鮮な発想のある空間を創造し続けるだろう。