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都市の鼓動をかたちに─ ODEONSが描く体験型空間/ODEONS
2025.11.28 | レポート
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東京・原宿に拠点を構える設計事務所「ODEONS」は、都市の鼓動を繊細に捉えながら、空間に新たな価値と驚きを吹き込むクリエイティブ集団だ。飲食店、美容クリニック、商業施設など、多様なプロジェクトを手がける同事務所は、建築設計にとどまらず、ブランディングや空間演出、 グラフィックディレクションまでを包括的に担い、都市に新たな風景を描き出している。
代表の丸山英一氏は、デザイン事務所の運営と並行して、自ら飲食店やギャラリーを手がけた経験を持つ。その実体験が、運営コストや顧客体験といった実務的な視点をもたらし、空間設計に現実的かつ戦略的な深みを与えている。「自分たちで飲食店をしていると、いかにコストを抑えてインパクトをつくるかを考えるようになります」と語る丸山氏。その言葉には、空間がビジネスとして機能するための設計へのこだわりがにじむ。
さらに丸山氏は、空間に“トリック”や予想外の仕掛けを施すことで、来訪者に驚きと記憶に残る体験を提供することの重要性を強調する。クライアントの要望を丁寧に汲み取りながらも、創造的な要素を加えることで、空間に物語性と個性を宿していくのだ。
その設計哲学の根底には、丸山氏自身が建築現場の作業員として多くの現場を経験したことが大きく影響している。角の収まりや手に触れる部分の質感、耐久性や強度といった細部のディテールまで徹底的にこだわる姿勢は、ODEONSの空間づくりに欠かせない要素だ。「長く使って壊れない、壊れにくい。そういう部分って、全部ディテールに宿るんです」と語る丸山氏。クライアントには見えづらい部分こそ、社内で大切にし、空間の質を支える柱としている。
職人技への敬意と、都市の感性を融合させたODEONSの空間は、ただ美しいだけではない。使い手の記憶に残り、時間とともに価値を増していく。建築の枠を超え、文化やライフスタイルにまで波紋を広げる彼らの挑戦から、今後も目が離せない。

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ODEONS
- TEL. 03-6459-1657
- URL. https://odeons.jp

