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カーボンニュートラル実現に向けた「鉄」の提案/日本製鉄

2025.07.28 | レポート

上/ブースの様子。製品とともにその社会背景を伝える展示となった


鉄という素材は、建築やインテリアに欠かせない存在だ。国内最大手の鉄鋼メーカー・日本製鉄は、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを本格化している。今回の展示では、同社の環境対策や社会全体のCO₂排出量削減に貢献する製品や技術群を総称したブランド「NSCarbolex(エヌエスカーボレックス)」について紹介した。その核の一つが、製造過程におけるCO₂排出量を大幅に削減した「グリーンスチール」である。鉄鋼は従来、鉄鉱石をコークス(石炭)で還元する高炉法で生産されてきたが、日本製鉄では、例えば石炭の代わりに水素を用いた還元プロセスへの転換を進めている。同社が提供する「NSCarbolex Neutral(ニュートラル)」は、製造拠点全体で削減したCO₂排出量を集計し、その削減分を製品に按分する「マスバランス方式」によるグリーンスチールだ。
2024 年度には、分野横断となる判断基準にグリーンスチールが新たに設定された。グリーン購入法は、国や自治体などに、環境に配慮した製品やサービスの優先的な購入を義務づけた法律で、この改正により、グリーンスチールの採用がますます広がることが見込まれる。
ブースではそうした背景と共に、オフィス家具メーカー・オカムラ が「NSCarbolex Neutral」を使って製作したスチール棚などが展示された。さらに、ゼロカーボンシティ宣言を表明する愛知県東海市が、日本製鉄とオカムラの協業による製品を、全国地方自治体として初めて導入したことも紹介された。
また、日本製鉄ではCO₂排出量削減に貢献する製品や技術を「NSCarbolex Solution」として体系化し、提供している。その一つが、「デザイニングメタル」と呼ばれる製品群。製鉄所での出荷段階で意匠やカラーリングを施すことで、製品化の際に必要だった塗装やめっきなどの工程を省略でき、CO₂削減につながるという提案である。ブースでは、ヘアライン調のプレめっき鋼板「FeLuce(フェルーチェ)」(1.手前什器)、高機能プレコート鋼板「ビューコート」、黒色めっき鋼板「黒ZAM」に加え、「高意匠性ブリキ」や「チタン」など、多彩なマテリアルが活用事例とともに展示された。



日本製鉄が提供するグリーンスチール「NSCarbolex Neutral」を使って、オカムラが製作したスチール棚
日本製鉄が提供するグリーンスチール「NSCarbolex Neutral」を使って、オカムラが製作したスチール棚


製鉄過程で意匠性やカラーリングを施す「デザイニングメタル」の例。細かな凹凸をつけた表面加工を施した高意匠性ブリキ。ブリキの薄さや軽さ、加工がしやすく輝度が高い特徴を生かし、オブジェとして提案
製鉄過程で意匠性やカラーリングを施す「デザイニングメタル」の例。細かな凹凸をつけた表面加工を施した高意匠性ブリキ。ブリキの薄さや軽さ、加工がしやすく輝度が高い特徴を生かし、オブジェとして提案


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