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建築とひとつになる光をつくる/ライティング創
2025.07.28 | レポート
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上/ザ・リッツ・カールトン福岡のロビーの事例。天井用ダイニングライト、パーティション前のアッパーライト、天井スリットのスポットライトが納められた
ライティング創は個性的な照明器具メーカーだ。主に照明デザイナーから指名を受け、プロジェクト単位で受注し、ほとんどすべてがオーダーメイドとなる。社員40人という少数精鋭で、細かな要望に対応する。
デザイナーが求める光のイメージに対し、最適となるソリューションを提案していく、空間づくりのパートナーとしての存在感が大きい。求められるのは、人の感性やデザインを妨げない上質な光の構成。照明器具は必要だが、ピンホールダウンライトやミニマルなスポットライトなど、その存在感は限りなく抑えられ、計算された光だけが人を包み込む。採用はインターナショナルホテルやラグジュアリブランドショップなど、プレミアムで高品位な空間が多い。
広い意味での対応力が同社の強みでもある。サイズやバリエーション違いなどから始まり、納期やスケジュール調整など、ものづくりの面でも提携工場との綿密な連携で着実にこなす。
小ロットならではの器具そのものへのこだわりもデザイナーを惹き付ける要素の一つだ。アルミの削り出しによるハウジングやコーンなどは、スピード感のある開発が可能であると同時に、キャスティングでは得られないシャープネスや質感が備わる。ほとんどの人が気付けないような意匠のわずかなディテールにこそ神が宿り、だからこそ上質な空間に求められるというものだ。
こうしてプロジェクトから生まれたプロダクトは、いわば前線の現場からのフィードバックを受け、カタログ化していく。デザイナーや建築家の生の声を反映し、より研ぎ澄まされたプロダクトへとつながっている。
光のソリューションと高品位なプロダクト、それぞれが信頼感をベースに、堅実な空間づくりにつながっている。空間デザインは光がないと成立せず、時にその存在は体験価値として内装や造作以上に重要だ。ライティング創はそのことを理解した、単に器具を供給するメーカーではなく、文字通りの空間づくりのパートナーとして光を放っている。
ザ・リッツ・カールトン福岡のダイニングの事例。天井用ピンホールダウンライト「SDL 83014」が採用された。最小の天井開口径φ45 ㎜を誇る。演色性は Ra 97。価格:22, 000円
天井用ピンホールダウンライト「SDL 83006」。同社のスタンダードな開口径φ60㎜。価格:15,950円
ライティング創
- TEL. 03-6802-3281
- URL. https://www.lighting-sou.com/