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タイルは「張る」から「創る」へ進化するマテリアル/名古屋モザイク工業
2025.07.28 | レポート
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上/「4Dセラミック」で造作したキッチン。4Dセラミックタイルの最大サイズは幅3200 ㎜奥行き1600㎜。厚みは12㎜、20㎜の2種類。写真は「CALACATTA AUREO 4D」と「KUROCA 4D」の2色を使用したキッチン。壁面や飾り棚にも同じタイルを使用した空間の例
名古屋モザイク工業は、タイルの企画開発・輸入を手掛ける老舗メーカーである。1938年に創業し、1955年には、国内販売に加えて海外輸出を開始。さらに1970年には、イタリア製タイルの高いデザイン性にいち早く注目し、国内での輸入タイルの販売を始めた。その後、1970年代から、設計者やユーザーがタイルの質感やスケール感を体感できる場所として、全国にショールームを展開していく。現在は東京・代々木を始め、札幌や那覇など全国に10カ所のショールームを持ち、最新技術を取り入れたデザイン性の高いタイルを提案し続けている。
そして2025年の注力事業として、家具やキッチンなどへの大判タイル活用のプロモーションを開始した。主にイタリアの大手タイルメーカーが独自技術で開発した「4Dセラミック」を活用して、特注製作で「セラミックタイルファニチャー」を展開する予定である。4Dセラミックは、フルボディの柄がタイル表面のみならず内部まで連続する独自の技術で製造されている。切断面にまで柄が現れるので、カットや小口加工をしても、まるで天然石のような見た目や質感を持ちながら、磁器質タイルの強度と耐久性を実現するマテリアルだ。また、生産工程でも持続可能性を重視する先進的な取り組みが採用されている。
これまで壁や床に『張る』装飾材であったタイルを、空間そのものを『創る』マテリアルと捉え、高品質でデザイン性の高い家具やキッチン、洗面台などを製作する。さらに、そうした家具やキッチンが置かれる床や壁にもタイルを取り入れた、トータルな空間づくりを提案できることが、豊富なタイルを取り扱う同社ならではの強みである。 環境への責任を果たしながら、タイル文化をつなぐ取り組みに力を入れている同社は、2025年4 月には、廃棄タイルや原料排土、廃釉薬汚泥などの材料を再利用した100%リサイクルタイル「Re-Nexis(リネクシス)」の販売も開始した。
長年にわたり培ってきた歴史と開発力・提案力を土台に、名古屋モザイク工業は、これからもタイルの可能性を広げていく。より繊細な表現が可能になり、大判化が進むタイルの魅力を全国にあるショールームでぜひ実際に体感してほしい。
Arabescato 4D」磨き仕上げタイルを天板に用いたテーブル。小口まで色柄が連続する
2025年秋にリニューアルオープン予定の横浜ショールームのイメージパース。キッチンの造作と床、壁にタイルを取り入れ、空間をトータルで提案する
名古屋モザイク工業
- TEL. 0572-44-3060
- URL. https://www.nagoya-mosaic.co.jp/