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設計者・ユーザーに寄り添う金物で家具と空間の質を高める/スガツネ工業

2025.07.28 | レポート

上/ガラスショーケース金物「GS-Gシリーズ」は定番のクロムメッキと24Kメッキのほか、近年需要が高まっているマットブラックもある。「GS-GL50型」には鍵穴を隠すカバーも


1930年創業のスガツネ工業は、95年にわたり一貫して家具金物を取り扱ってきた。現在の商品数は、3万点にものぼるという。LAMPのロゴや4冊組みのカタログは設計者やデザイナーにとってはおなじみだろう。千葉と大阪に物流センターがあり、ほぼすべての商品を在庫しているのもアドバンテージ。千葉には工場もあり、開発・設計から製造、検査、納品まで一気通貫だ。
東京ショールームは、岩本町の金物通りにある。まず、「どこでも止まる」「ゆっくり動く」「かるがる開く」「カチッと止まる」「あちこち開く」「なめらかに動く」という機構技術のコンセプト展示が目に飛び込んできた。モーションデザインテックと同社が呼ぶこの技術は、扉や蓋に多彩な動きを生み出し、家具・什器の操作性・安全性を高める。金物の外観だけでなく、動きを含めたデザイン性までこだわるところに、メーカーとしての真骨頂がある。
商業・内装市場向けの営業を担当する内海清公さんは、「可能性を開くこと、ハイクオリティー、安心安全。この3つが弊社商品のポイントです」と語り、それを体現する商品としてガラスショーケース金物「GS-Gシリーズ」を見せてくれた。丁番、天板受け、錠前から構成され、フラットに磨き上げられた鏡面仕上げとシンプルな形状により、ショーケースに自然となじむ。展示物に焦点を当てたいデザイナーの意図に応える仕様だ。また、丁番の吊元側は面取りされているため、ガラスの側板小口に丁番が当たるのを回避する。安全性に加え施工性も高く、六角レンチで扉を調整できるので、天板受けの位置ともきっちりとラインがそろう。戸当り付受座も用意されており、施錠もスムーズ。ユーザーの使い心地に配慮した設計だ。
続いて、スライド丁番「OLYMPIA」シリーズのコーナーへ。独自ダンパーでソフトクローズの速度を5段階で選べるため、扉サイズに応じた最適な動きに調整できる。閉止速度の微妙な違いが、家具・什器の印象を左右する。2017年の発売当初から注目を浴び、以降もアップデートを重ねて進化している。20万回の開閉試験をクリアし、エンドユーザーへ安心と安全を届ける。
これら大小多種の金物は、カタログやウェブサイトに網羅されている。とはいえ、やはり機構やディテールは、リアルに確かめた方が理解は早く、ショールームで見れば一目瞭然。2026年には新ショールームがオープンする予定だという。いっそう充実する商品群との想定を超えた出会いは、インテリアデザインにパラダイムシフトを起こす可能性を秘めている。



金物通りANNEXのショールーム外観。現在、海外にも8つの拠点を設けて、グローバルに展開している
金物通りANNEXのショールーム外観。現在、海外にも8つの拠点を設けて、グローバルに展開している


アーキテリア事業部の内海清公さん
アーキテリア事業部の内海清公さん



スガツネ工業

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