-
“GREENING” の理念を基に行う 人と自然が心地良く共生する空間づくり/グリーンディスプレイ
2025.07.28 | レポート
-
上/イトーキ本社オフィス「ITOKI DESIGN HOUSE」への導入例。什器と一体化した寄せ植えや有機的なレイアウトを採用し、柔らかな空間を演出している
人と自然の心地良い関わりを追究してきたグリーンディスプレイ。1972年の創業から変わらぬコンセプトは“GREENING”。植物のある景色を通して、自然と調和する都市空間のあり方を追求してきた。
現在でこそ、さまざまな空間に植栽を配し、デザインと統合されたコーディネートなども一般的となったが、特に商業施設に積極的にグリーンを導入してきたのは、同社がパイオニアと言ってもいい。東京・銀座で1976年からビルの建て替えまで40年近く、文字通り風物詩として愛され、本物のモミの木を使った「ミキモト本店」のジャンボクリスマスツリーは、同社が企画したものだ。
こうした季節や催事に合わせた「SEASONAL DECOR」は事業の軸の一つだ。
もう一つの軸は「PLANTSCAPING」で、商業施設やショップ、オフィスなどの空間に合わせたグリーンのデザインだ。近年はオフィスへのグリーン導入が増え、バイオフィリックデザインに代表されるような、より自然を意識した植物の生の姿を空間で見せるニーズも多くなってきたという。
オーセンティックな生の植物が持つ力を軸に、空間演出と季節装飾という2本柱で、豊富な実績と多彩な提案を積み重ねてきた。
またグリーンを用いた、持続可能な社会のための独自な試みも紹介したい。
「オチャノキプロジェクト」は、休耕地となった茶畑に着目し、里山の保全や都市と里山の循環、ネットワークづくりに貢献するものだ。野生化したオチャノキの独特な枝振りを生かしたディスプレイや茶葉を使ったワークショップなど、10年目を迎えたプロジェクトだ。
「ボタニカルライト」は、土壌内の微生物による発電作用を、イルミネーションや、さまざまな用途に活用するプロジェクト。プランターでも発電が可能で電線を引いてくる必要がなく、植物が生育できる環境があれば、長期的に利用ができる。発電時に排出されるのは水のみで、クリーンなエネルギーだ。社会的にも注目され、マスメディアでも紹介されている。ボタニカルライトの電力を使用してビーコンを動かし、商業施設の回遊性を高める「botabee」という新サービスも展開中。
植物の力で発電する「ボタニカルライト」。未来のエネルギーとして注目される
「ミキモト本店」のクリスマスツリー。撤去後のツリーは、社会貢献活動として教育施設に寄付された
グリーンディスプレイ
- TEL. 03-5779-6702
- URL. https://www.green-display.co.jp/