-
本当の満足度を高めるサインプロダクション/発研セイコー
2025.07.28 | レポート
-
上/本社ショールームには、さまざまなLED サイン、切り文字サインのサンプルが並ぶ
細い線のデザインや複雑な立体形状、切削加工では叶わない造形など、どんなデザインでも実現するサインシリーズ「3D アートレター」
店舗用を中心にサインの設計・製作・施工を手掛けて、創業40 年となる発研セイコー。130台を超える加工設備を擁した、都内随一の規模である自社工場を持ち、多種多様かつ高品質なサインを短納期できる環境を整える。サインについてのワンストップソリューションを提供できる。
創業時より、技術に対して進取性を欠かさず、LEDへの光源切り替わりも迅速かつ、高品質な光の追究も抜きん出ていた。真空成形や 3Dプリンタなどの新しい技術も積極的に取り入れている。特にそれらを工夫して、効果的に良い結果を生む方法やアイデアを磨いているのも、同社の特長で高い技術力を支える原点でもある。近年急成長を果たし、2024年には群馬に新工場(敷地面積約2500坪)も建設、やはり昨年からインドネシア・スラカルタでも工場を稼働している。成果品であるサイン自体はもちろん、同社が自負するのは“ 対応品質”だ。デザイナーの意図を汲み取った多彩な提案や試作製作、施主から現場まで、状況を先回りしながらコミュニケーションをし、スピーディーに細かい点もケアしていく。
その拠り所となるのが、7年前から進めてきた情報管理システムだ。業務で取り扱うあらゆる情報をデータベース化し、社内で共有する。顧客情報から設計図面、見積書などの書類はもちろん、生産時の検品画像までデータとして参照できる体制を執った。見積もり一つでも、いつ誰がどこに対して、どういう経緯で出したものかを瞬時に把握できる。クライアントとの打ち合わせ中でも、その内容を工場へオンラインで伝え、リアルタイムで図面提案し、判断材料を提供する。生産現場では受注時のデータを元に、製作の予想時間を算出してスムーズな生産計画につなげる。システムも同社でカスタマイズしており、業務のあらゆる部分で効率化が進み、文字通り生産性を高めた。サインは基本、受注生産のため、素材や仕様など共通点において過去の実績とデータを参照しつつ、さらに改善した提案や仕様変更を行える。現場・現物が中心の建築分野ではDX化が遅れているとされているが、同社ではその成果が実績と符合する。
対応力を培うには人材の育成も必須だ。同社は社内研修もITを積極的に生かし、動画やオンライン講師を使ったeラーニングを導入。かつてはトップダウンになりがちだった意志決定の基準を統一することで、技術職でも営業でも同じ方向性で業務に当たれるよう、意識付けてもらう。
同社の対応力は、クライアントから設計者、内装会社、現場まで、関わった人々の体験価値を向上させる。製品の納入で留まらず、施工を手掛けるのも、最終的な満足度を高めるためだ。店舗空間にとってサインは一つの要素に過ぎないが、時に「顔」と言われ、重要なアイデンティティーでもある。だからこそ事業主やデザイナーも細部に至るまで関心を寄せる。「つくって納めて終わり」ではない、本当の意味での満足度を高めるサインづくりで、同社はアジアナンバーワン企業を目指している。
ショールームに隣接する本社工場は見学も可能。製作現場を見ることで、新たな発見や気づきがあるかもしれない
データやスケッチを基に最新のマシンを使った製作を得意とする同社だが、職人一人ひとりの技術力の高さが高品質なサインを生み出している
東京・舎人に構える本社・工場
発研セイコー
- TEL. 03-3890-1733
- URL. https://www.hakkenseiko.jp/