-
スペースクリエーション企業へ変革/サンゲツ
2025.07.28 | レポート
-
上/東京・日比谷の「PARCs Sangetsu Group Creative Hub(以下、PARCs)」(2024年9月号掲載)は、スペースクリエーション企業としてのデザイン力を発揮した空間。同所の見学も受け付けている
「トータルインテリア」として、壁装材や床材を始め、多彩な品種・品目のプロダクトであらゆる空間のインテリアをサポートし、国内のインテリアデザインに大きく貢献してきたサンゲツ。創業170 年を越え、同社は大きな変革を進めている。
2030 年に目指すべき企業像として「スペースクリエーション企業」を掲げ、これまでのプロダクトの企画・開発・販売だけでなく、ソリューション提案やデザインによる付加価値提供を軸とした、空間総合事業を展開。空間の企画・設計・デザイン・施工までをカバーし、より直接的に空間づくりの場で、同社の持つリソースやノウハウを活用していく。
そうした中で同社がより強みを発するのは、情報やネットワークだ。多岐に渡るインテリアプロダクトの企画や開発の中で、国内外のメーカーやブランドなど、さまざまな企業とのものづくり経験が生かされていく。現代の空間づくりは機能やデザイン、コストといった課題に加え、ESG(環境・社会・ガバナンス)に代表されるような社会的要請も重要な要素となってきている。
2023年からは「Sangetsu Design Talks」というセミナーイベントを実施し、社会情勢やグローバルトレンドを踏まえた空間デザインの分析・発信を行っている。表層的な流行のフォローに終わらず、持続可能な空間づくりのあり方を同社としても模索しつつ、新しいデザインをリードしていこうという進取もそこに見える。
また、2025 年4 月からは、世界でも最大級の規模を誇るカーペットメーカー、米・ShawContract(ショウ・コントラクト)社の正規代理店として、国内向けの販売を開始した。環境配慮型のラグジュアリーなカーペットタイルを中心に、幅広く取りそろえる。こうした世界でもトップのクリエイティブとの連携は、将来的に同社からの世界への発信につながる。人口減少で国内がシュリンクする中で、付加価値の高い市場に向けたグローバルな視点は欠かせない。2024年3月には、「PARCs」を東京・日比谷に開設した。いわゆるオープンオフィスで新しい発信拠点となっている。空間総合事業の新サイト(https://www.sangetsu.co.jp/business/space-solutions-group/)と併せて、同社の目指す先を感じられるはずだ。
グループ会社のクレアネイト東広島事業所食堂。PARCs同様、サンゲツの空調総合事業部が提案した空間
ShawContract の「Living Systems」コレクションから、「Respond Color」を6種施工した事例
サンゲツ
- TEL. 0570-003-310
- URL. https://www.sangetsu.co.jp/business/space-solutions-group/