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タイルの 魅力と本質に触れ、 体感できる場「Maristo東京ショールーム」開業/Maristo
2025.06.27 | レポート
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上/Maristo東京ショールーム。奥へ誘うアプローチには、同社が取り扱うさまざまなタイルを貼ったエレメントが並ぶ。このエレメントにより、タイルの使い方やカラー目地との相性なども含め、タイルの質感を体感できる
2025年4月16日、タイルを中心としたマ テリアルブランドMaristo(マリスト)の東京ショールームが港区麻布台に移転オープンした。
同社が扱う多様なマテリアルに出会い、体感できる場所だ。このショールームの空間デザインを手掛けたのは、乃村工藝社 松浦竜太郎氏がクリエイティブディレクターを務める空間デザインチームRENS(レンズ)。4月18日には現地にて、松浦氏によるトークイベントが開催され、「商店建築」編集長の塩田健一がファシリテーターを務めた。想定人数を大きく超え、盛況となったイベントは、「タイルを選び、使う楽しさ」を伝えるものとなった。
Maristo東京ショールームのデザインを手掛けた乃村工藝社 RENSの松浦竜太郎氏
タイルの魅力と本質に気づく場所
トークの前半では、松浦氏がこれまでに手掛けたタイルを使った空間デザインを紹介。そして、Maristo東京ショールームのデザインについて語った。ブランドコンセプトである「トレンドマルシェ」を解釈し、松浦氏は「旬のものが並ぶ空間を散策する“マルシェ”」を空間デザインのコンセプトに据えた。
エントランスから奥へ続く空間は「アプローチマルシェ」と位置づけられ、タイルの魅力に触れ、好奇心をくすぐることを意図し、タイルを施したさまざまなプロダクトが並ぶ。アプローチの先に広がる自然光が入る空間では、木製のパレット什器にタイルがディスプレイされ、来場者はゆったりとタイルを体感しながら選ぶことができる。
また、アプローチマルシェに面する会議室と、最奥部にある応接室には、松浦氏がイタリアのタイル見本市で選定し、マリストが新たに取り扱うこととなったタイルが使われている。トークの後半では、この協働について詳しく紹介された。
自然光が差し込む広々としたスペースでは、マルシェに旬な果物が並ぶようなイメージで、木製パレット什器にタイルをディスプレイ
松浦氏がセレクトした 繊細な二つのタイル
2024年末、松浦氏はマリスト社員と共に、イタリア・ボローニャで催されたタイル見本市「チェルサイエ」を訪れ、買いつけるタイルを丹念に選定した。「石調ではない質感をもつ」「自由な発想で多様な使い方ができる」ことを基準に、2種類のタイルをセレクト。松浦氏が新たに考案した商品名をつけ、同社での取り扱いがスタートした。
一つは、織物を意味する「布帛」を名に冠した「Fuhaku」。経糸と緯糸が交差するような繊細な立体感を持ち、柔らかさを感じさせる大判のタイルである。
もう一つが「風景線」という意味を持つ「Scenery Lines(シーナリーライン)」で、3種類のピースを組み合わせた繊細なラインが、自然の情景を思い起こさせるようなタイルだ。色や貼り方向によって印象が変わり、使い方の自由度が高いところも魅力だと松浦氏は言う。
こうして選ばれた2種のタイルは、Maristo東京ショールームの空間における重要なデザイン要素となっている。ショールームを訪れれば、タイルの多様な魅力や本質に触れ、空間デザインへ取り入れるイメージが湧いてくることだろう。
会議室の壁には、松浦氏がセレクトした磁器質タイル「Fuhaku」(1200×600 ㎜マット)が貼られている。最新テクノロジーの視覚効果により、織物のような立体感を表現。経糸・緯糸が織りなす柔らかな表情を感じさせる
応接室には、磁器質タイル「Scenery Lines」(300×75 ㎜)を使用。壁にはホワイト、と円形ソファの背面にはブルーを配した
Maristo
URL https://www.maristo.jp/
Maristo東京ショールーム
東京都港区麻布台1-11-9 BPRプレイス神谷町8F
営業時間/10:00~17:00
定休日/土曜、日曜、祝日
TEL 03-5573-9293