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企画から施工までの一貫対応による“人” のためのオフィスづくり①/デザインアーク

2025.05.28 | レポート

上/電子回路をイメージしたエントランス。光るコーポレイトロゴのモニュメ
ントも「たけでん」の照明プランナーとのコラボレーションによってつくられた 


―たけでん JP TOWER OSAKA 27階オフィス―

施設空間のプランニング・設計・施工のスペースソリューション事業、暮らしの空間を中心にインテリアコーディネートを行うインテリア事業、建材製品の開発・製造販売の建材事業、仮設事務所向けに備品やエアコン等を貸し出すレンタル事業の4つの事業を柱に、人と空間を繋ぐ架け橋となる企業を目指すデザインアーク。ダイワハウスグループの一員である同社が手掛ける空間は住宅や商業施設、大規模イベントに至るまで多岐に渡り、現在、開催中の「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」においても約10ものエリアの設営に携わっている。中でも、デザインアークはオフィス備品メーカーとして創業した歴史をもち、それだけに、オフィスづくりは同社の根幹とも言える事業分野となっている。

電子回路をデザインに取り込んだ社内外の共創オフィス

電材住建の総合商社「たけでん」では、10以上に分かれていた拠点を「JP TOWER OSAKA」27階のワンフロアに集約し、2025年1月に、新たなオフィスをオープンさせた。デザインアークへの要望は、社員同士、また、社員と社外の人間とが関り合い、集う場とすること。そして、取引メーカーの商材を空間へと取り込み、ショールームの機能ももたせるというものであった。
これを受け、デザインアークが打ち出したコンセプトは、tell=伝える、electric=電子、arium=~な空間を組み合わせた“tellectrium”。グラフィックやサインも含め、電子回路を彷彿とさせるようなデザインを随所に散りばめ、さらに、“集う”やコーポレートスローガンである“クロスアクション”もキーワードとして取り入れた空間を構築していった。


執務エリアでは、社員約350人の全員分の席が確保されており、多様な部署の人間が垣根を超え、関わり合いながら働いている
執務エリアでは、社員約350人の全員分の席が確保されており、多様な部署の人間が垣根を超え、関わり合いながら働いている

オフ(休憩用)のギャザリングスペース。四角いデスクが並ぶ執務エリアとは異なり、円形のデザインを取り入れることで、優しい空間となっている
オフ(休憩用)のギャザリングスペース。四角いデスクが並ぶ執務エリアとは異なり、円形のデザインを取り入れることで、優しい空間となっている


正面にうめきたエリアを一望できるエントランスの床のクロス模様は壁のライン照明、そして天井のライン照明へと繋がり、電子回路とクロスアクションを表現。ここに置かれた162インチスクリーンと、すぐ脇にあるブランディングスペースに設置された3台の縦型デジタルサイネージでは、自社や取引企業のプロモーションが映し出され、エントランスから「たけでん」の顔が見える設えとなっている。その奥には取引企業がサテライトオフィスとして使うこともできるワークフリースペースがあり、コーヒーサーバ―も設置されたここは社内外のコミュニケーションの場となっている。その他、それぞれが異なる家具メーカーと照明メーカーでつくられた6室のミーティングルーム、商談用の2室のレセプションルーム、80人用会議室があり、ここまでが社外との共創エリアとなっている。
社員専用エリアはフリーアドレスの執務スペースを中心に、20人用会議室、スタジオ、社内プレゼンテーションやセミナー用のオンと休憩用のオフの2つのギャザリングスペース、役員スペースで構成。執務スペースはテーブル席、ABWゾーンなど、350人ほどの社員全員分の多様な席が用意されており、照明プランナーやAV設計チームなどの社員が働く。天井の配線ダクトではさまざまな照明器具を試せるようにもなっている。また、ライティングデザインに関しては、ビルの既存照明以外の照明は「たけでん」の照明プランナーとのコラボレーションで構築されており、すべて用途や時間による調光や調色も可能となっている。


打ち合わせや商談だけでなく、取引企業がサテライトオフィスとしても使える空間として設計されたワークフリースペース。コワーキングオフィスのような設えで、オフィス内の交流の場となっている
打ち合わせや商談だけでなく、取引企業がサテライトオフィスとしても使える空間として設計されたワークフリースペース。コワーキングオフィスのような設えで、オフィス内の交流の場となっている

ブランディングスペースの奥にある商談用やリクルート用のレセプションルーム。壁の吸音パネルには電子回路をイメージしたグラフィックで「たけでん」と描かれている。この吸音パネルやタマリンド材のテーブルも取引企業の製品であり、ショールームの機能も併せもっている
ブランディングスペースの奥にある商談用やリクルート用のレセプションルーム。壁の吸音パネルには電子回路をイメージしたグラフィックで「たけでん」と描かれている。この吸音パネルやタマリンド材のテーブルも取引企業の製品であり、ショールームの機能も併せもっている

役員エリアの中の社長室。役員エリアには他に3つの部屋があり、間接照明、ペンダント、光幕天井など、クライアントへのプロモーションの場としても活用されている
役員エリアの中の社長室。役員エリアには他に3つの部屋があり、間接照明、ペンダント、光幕天井など、クライアントへのプロモーションの場としても活用されている


「たけでん JP TOWER OSAKA 27階オフィス」DATA
床面積/約3970㎡(1200坪)、施設利用者数/約350人、
工期/ 2024 年7月~ 2024 年12月、竣工/ 2024 年12月

デザインアーク

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