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多彩な表現ができる内装用に特化した木毛セメント板/竹村工業
2025.04.28 | レポート
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上/内装用の木毛セメント板に塗装や形状加工を施し、さまざまなバリエーションを見せた展示ブース
建材メーカーの竹村工業は、屋根下地材や木毛セメント板などを手掛ける。同社が製造する内装用の木毛セメント板は、準不燃材。国産ヒノキの間伐材を使用しており、空間に取り入れることで、吸音や調湿、消臭などの効果がある。また、水と木、セメントのみでつくられているので、安心して使用できることも魅力だ。
今回の展示では、内装用の木毛セメント板製品である「レノウッド」「レノウッドワイド」「ポリッシュボード」を紹介した。
「レノウッド」は、繊維の幅が1㎜と細く、繊細な表情が特徴。一方、「もっと荒々しいものがほしい」というユーザーの声に応える形で2024年に発売された「レノウッドワイド」は、繊維の幅が約10㎜。今回のJAPAN SHOP内、JCD(日本商環境デザイン協会)ブースにて展示された「プロダクトオブザイヤー2024」に入賞した注目の製品だ。
「ポリッシュボード」は、木毛セメント板の表面を研磨し、天然油脂系塗料を吹き付けた内装材で、より木の質感と色むらや濃淡を感じられる。
同社は5年ほど前から、日本工学院専門学校のデザイン科インテリアデザイン専攻と連携し、学生のデザイン案を、実際の展示ブースに採用する取り組みを行っている。今回も、学生たちが授業の一環として、「内装用木毛セメント板製品の魅力を伝えるデザイン」を提案。同社社員の投票で選ばれた4名の案が、竹村工業の展示ブース及びJCDブースに取り入れられた。学生たちにとってはデザインを実際の形にする上での試行錯誤の中にも学びがあり、竹村工業にとっても技術的な新しい挑戦があったという。
自然の風合いを色とハニカム形状で表現したもの、モノトーンを組み合わせて千鳥柄にしたもの、細いライン状に並べて複雑さを表現したもの、パステルカラーの面を立体的に組み合わせたもの。個性豊かな四つの面で構成されたブースが、木毛セメント板という素材が持つ魅力や可能性を伝えていた。
壁面をデザインした日本工学院専門学校の学生たち(左から日野隼さん、今井温人さん、内藤未来さん。もう一人の選出者ボルド・ホランさんは、遠隔で取材に答えた)
日野さんは、「レノウッド」を使用し、自然な色合いの緑を基調にデザイン。六角形と菱形を組み合わせ、製品の厚みの違いを生かして凹凸をつけた
竹村工業
- TEL. 0265-36-6111
- URL. https://takemura.co.jp