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天然木の質感をそのままに、屋外で使用可能な素材「アコヤ」/池上産業

2025.04.28 | レポート

上/「Accoya GREY」をルーバー間仕切りに使用した
展示ブース。中央には、スキャンした石の形をもとにアコヤを加工し、制作したスツールが展示された


池上産業は、アセチル化処理により耐久性を高めた木材「アコヤ」の輸入・販売を行っている。アセチル化とは、酢酸の一種である無水酢酸を高温で木材と反応させ、水酸基の代わりに水と結合しないアセチル基の数を増やすこと。これにより木材の疎水性が高まり、含水率が低く抑えられ寸法が安定する。また、菌やシロアリの侵食を防ぐことができるため、従来の木材が持つ腐りや反りや割れといったリスクが抑えられ、屋外にも取り入れやすい。木材本来の成分のみで構成されているので、安全性が高いこともメリットの一つだ。
今回の展示では、アコヤの特長やバリエーション、活用方法が紹介された。
アコヤシリーズは全てラジアタパイン材を処理したものだが、複数の規格品を展開している。また、表面処理や塗装の工夫によって、多彩な表情を生むことができる。
例えば「AccoyaGREY(アコヤグレー)」は、あらかじめグレーに染色されたもの。表面だけではなく内部まで染料を浸透させており、経年変化による褪色などが目立つことなく、長期間にわたり、当初の状態を維持できる。
「AccoyaCROCO(アコヤクロコ)」は、日本の伝統的な焼杉の技法で焼き、表面を炭化した羽目板。寸法の安定性が高いため、表面の剥がれやひび割れが起きにくい。
また、「トライコヤ」は、アコヤを繊維状にして成形した、幅1220㎜×長さ2440㎜板のMDFパネル。大きな面として使うことができ、加工や表面処理によって、さまざまな形状や質感を表現することができる。
ブースでは、各製品の特性を紹介する展示に加え、導入事例の写真と共に実際に使用されたアコヤのサンプルを見せるコーナーが設けられた。アコヤを屋根材として利用した事例や、手すりの形状に加工した事例など、さまざまな建築やインテリアを紹介。素材が実際どのように空間に取り入れられたのかを分かりやすく伝えるものとなった。



アコヤを屋根葺き材として採用した事例「美郷カヌークラブハウス(設計/STUDIO YY)」を紹介したコーナー
アコヤを屋根葺き材として採用した事例「美郷カヌークラブハウス(設計/STUDIO YY)」を紹介したコーナー

左から、あらかじめグレーに染色した「Accoya GREY」、表面を黒く焼いた「Accoya CROCO」、帯鋸目仕上げのアコヤ羽目板
左から、あらかじめグレーに染色した「Accoya GREY」、表面を黒く焼いた「Accoya CROCO」、帯鋸目仕上げのアコヤ羽目板

池上産業

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