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アップサイクルなものづくりを社会へ広げる/日本エムテクス

2023.07.28 | REPORT

上/BMW GROUP が 新たなショールームのデザイン・コンセプトを導入した日本第1号店「BMW 青山スクエア」基本計画/オリバー・設計施工/東西建築サービス


東京・外苑前駅から程近い「BMW 青山スクエア」が2023年7月リニューアルオープンした。BMW GROUP Japan(ビー・エム・ダブリュー)では、車だけでなくショールームにおいてもエシカルでサステナブルな取り組みを進めており、新しいコンセプトのショールームにおいては、日本で調達できる環境保全に貢献する素材や家具などが採用されている。壁や天井で使われているのが「NURU DENIM(ヌルデニム)」と「EGG PAINT(エッグペイント)」だ。「NURU DENIM」は、デニムの端材を粉砕し左官材としたもので、「EGGPAINT」は食品工場等で排出される卵の殻を原料に塗料化したものだ。どちらも廃棄されていただけのものに、全く異なる製品として新たな価値を付与するアップサイクルという考え方に沿った製品だ。このアップサイクル製品を主力として、さまざまな建材を手掛けるのが日本エムテクスである。
同社は約20年前から卵の殻を再利用した「ビーナスコート」の開発・販売を始めた。まだアップサイクルという概念も浸透していない頃で、マスメディアなどでも大きく取り上げられた。その後「EGG PAINT」や「EGG WALL(エッグウォール)」や「EGG TILE(エッグタイル)」など関連アイテムも増やした。いずれも原料の卵殻が多孔質で調湿機能や消臭性を持つ。当初は住宅需要が中心だったが、ここ数年は商業施設などでも採用が進んでいる。「NURU DENIM」も繊維質を多く含むため、調湿機能がある。不燃やF☆☆☆☆などの認定も取得している。また2022年はコルク栓を使ったパネル材「Re CORK WOOD PANEL(リコルクウッドパネル)」も発売した。
同社の製品に共通するコンセプトとして、わかりやすさがある。身近な原材料を使い、仕上がりの状態から普通の人が見ても想像できる。ユーザーや社会に対して、どんな材料なのかが伝わるというメッセージ性の高さはそれ自体、非常に価値がある。
また同社では、一般社団法人 GOMITAIJI(ゴミタイジ)を設立し、多様な企業活動で出る廃棄物に新しい価値を与えるための取り組みも進めている。



大手デニム工場で排出される端材を左官材へアップサイクルした「NURU DENIM」。カラーは3色を用意
大手デニム工場で排出される端材を左官材へアップサイクルした「NURU DENIM」。カラーは3色を用意


食品工場で排出される卵の殻を使用した壁紙「EGG PAINT」。アップサイクル製品であるとともに、調湿や消臭性能も併せ持つ
食品工場で排出される卵の殻を使用した壁紙「EGG PAINT」。アップサイクル製品であるとともに、調湿や消臭性能も併せ持つ

日本エムテクス

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