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香りで空間をデザインする/アットアロマ

2023.07.28 | REPORT

上/80 種類以上の豊富な香りのラインアップ。同じ素材でも産地によって香りが異なり、その土地・ブランドならではの香りも作成できる


アットアロマは香りのトータルサービスを提供する企業だ。扱うのは、いわゆる香水のような合成香料ではなく、草木や花、柑橘など植物由来のエッセンシャルオイル(精油)のみを用いた香りだ。古くからアロマテラピーとして療法に使われるなど、人の心身に総じて好影響があるとされ、ミントなどは冷感効果も実証されている。
同社は20年以上、この天然香料に専門特化してさまざまな事業を進めてきた。ビジネスの中心となるのはBtoBで、企業やブランドなどに対し、オリジナルの香りを生成し、実際に空間で提供する。空間の独自性を高めるブランディング、ゲストへのホスピタリティー、そして従業員へのウェルビーイングといった役割、効果が期待できる。香りは人の記憶に強く残るため、そのブランドや空間への印象として結びつきやすい。「ANA」の空港ラウンジ、「パレスホテル東京」「伊勢丹新宿店」など実績も豊富だ。クライアントのECサイトにおいて、納入したオリジナルアロマを販売する例もあり、好評という。なお、同社では直営の小売り店舗も全国15カ所で展開する。
導入は、ヒアリングを経てコンセプトを練り、センティングデザイナーと呼ばれる香りの専門家がいくつかのサンプルを作成。さらに検討を重ねて唯一の香りをつくり出す。150種類以上の精油から10数種~20種をブレンドするため、ほぼ際限無く多様な香りを生み出すことができる。
空間への実施は、同社が開発した専用機器で噴霧・拡散する。オリジナルディフューザーで置き型のほか、分離型のポンプユニットなどを天井内やダクトスペースなどに置き、噴霧口だけを小さく壁面に設えたり、空調のサプライエアと一緒に吹き出すことも可能だ。アフターケアはコーディネーターという専門のチームを備え、メンテナンスから新たな香りのセッティングなど、空間としてのサポートも十全に行う。
コロナパンデミックによって、マスクやアクリル、もしくは画面越しのコミュニケーションを強られて、我々は改めて五感の重要さに気付かされた。香りや音など視覚以外の領域でも空間デザインとして気を配る時代が来ている。



オリジナルのディフューザーにより、安定した香りを提供する。機器を隠すことも可能
オリジナルのディフューザーにより、安定した香りを提供する。機器を隠すことも可能


パレスホテル東京(『商店建築』2012年6月号掲載)1階ロビーでもオリジナルのアロマがゲストを迎える
パレスホテル東京(『商店建築』2012年6月号掲載)1階ロビーでもオリジナルのアロマがゲストを迎える



アットアロマ

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