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メタマテリアル技術でオフィスの音を制御する/ピクシーダストテクノロジーズ

2023.06.28 | REPORT

上/メイン展示となった「iwasemi RC-α」。ガラスの透明感を損なうことなく、ゆらぎ加工でプライバシーを保持。また自由に貼り合わせられるのも魅力


研究者でありメディアアーティストとしても活躍する落合陽一氏が代表のスタートアップ、ピクシーダストテクノロジーズ。独自開発した要素技術によって、社会や空間でのさまざまなソリューションを連続的に展開する。
今回の展示では、メタマテリアル技術を用いた吸音材「iwasemi(イワセミ)」シリーズが勢揃いした。自由な形状とマテリアルをアピールする「iwasemi HX-α」(イトーキとの共同開発品)、より空間に馴染みやすく、意匠性を高めた「iwasemi SQ-α」、そして2023年5月に発売になったばかりの「iwasemi RC-α」だ。素材と加工の自由度が高い、全く新しい吸音材として、会場でも絶えず人だかりができていた。
「iwasemi RC-α」はガラスパーティションへ貼ることに特化したコンセプトを持つ。100×300×t20㎜というタイルのようなシンプルな形状で、わかりやすく多彩な貼り方を受容しつつ、光のゆらぎを生む表面加工がプライバシー対策と意匠を兼ねる。特注色のバイオプラスチックや中空構造、ガラス面への接着方法とそのディテールなど、プロダクトとしてのあり方にもこだわり、ガラスと見紛うような佇まいを実現した。
加えて、注目されていたのがコンセプトモデルとして展示されたワークブース。ブースのガラスの壁面に「iwasemi RC-α」を、上部に「iwasemi」シリーズでの技術を発展応用した、新発表の音響メタマテリアル遮音材を使っている。遮音材は透明素材でできた変形ルーバーという見た目だ。通過する音波の一部を逆位相にし、ノイズキャンセルのように打ち消すことができる。「iwasemi」は特定の周波帯に対して吸音を最適化できる特長を持ち、この遮音材でも同様に1400~2800Hzの音(人の声のうち、明瞭度への寄与が大きい)に最適化されている。そして隙間はあるので、空気や光は通過するというものだ。
こうしたワークブースでは通常は遮音のためにスチールで覆われ、天井を付けると換気設備やスプリンクラーが必要な場合もある。それに対する一つのソリューションとしてコンセプト化したものだ。遮音材自体もそのためのプロトタイプで、形状等は用途に合わせて自由に変えられる。今後は企業などと協業して、さまざまな製品として、まさに連続的に実装していく予定だ。



「iwasemi RC-α」のディテール。厚みは20㎜
「iwasemi RC-α」のディテール。厚みは20㎜


提案展示のワークブース。壁面に「iwasemi RC-α」を、天井には新しい音響メタマテリアル遮音材を施工。天井部がオープンでありながらも快適な音環境をかなえる
提案展示のワークブース。壁面に「iwasemi RC-α」を、天井には新しい音響メタマテリアル遮音材を施工。天井部がオープンでありながらも快適な音環境をかなえる

ピクシーダストテクノロジーズ

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