Loading...

id+ インテリア デザイン プラス

インテリアデザイン・建材のトレンドを伝えるメディア Presented by 商店建築

  • Home
  • 記事を読む
  • REPORT
  • リブランディングで“ 選ばれるデザイン”となった環境備品/ミヅシマ工業

リブランディングで“ 選ばれるデザイン”となった環境備品/ミヅシマ工業

2023.04.27 | REPORT

上/シンプルを究めたプロダクトは空間になじむことを証明するブース展示となった


ミヅシマ工業は環境美化用品のメーカーだ。くず入れや灰皿、傘立てなど、公共的な施設・空間には必須となる備品類を手掛けており、創業86年を迎えた。このカテゴリーでは文字通りのパイオニア企業である。
このジャンルの製品は、施設になくてはならないものの、設計者として積極的に選択する余地が少ないのが実際だ。言うならば、竣工写真でフレームアウトされてしまうような存在だった。価値転換を図るべく、同社では2020年にリブランディングを敢行。デザイン会社のbroomと協働し、あえて選ばれるプロダクトとして生まれたのが「Mseries(エムシリーズ)」だ。
ホワイトとブラックで統一されたラインアップはいずれもミニマルなデザイン。空間で主張しすぎては本末転倒であるし、本来の役割を果たせる強度や機能もおろそかにはできない。多くの工業製品ではシンプルを究めていくには代償が伴う。同社はディテールを成立させるため、板金や切削における長年の技術ノウハウを駆使し、デザインを変えながらも、既存製品にまったく劣らない機能性を維持している。
サイズの異なるくず入れや傘立て、傘袋装着機など、計九つのアイテムを用意。傘袋装着機や傘袋回収器などは海外のニーズがないため、デザイン性を高めた製品は皆無で、あえて踏み込んだ英断は設計者にもありがたい。「Mseries」の大がかりなプロモーションは今回の展示が初めてで、来場者からも多くの好反応があった模様。
また、オランダ・フォルボフロアリング社の「コーラル・クラシックタイル」も併せて展示。日本では、吸塵・吸水のためにいわゆるレンタルマットが多用されがちだが、こちらは高い機能性も持ちながら、500㎜角サイズでタイルカーペットのように圧倒的にスマートに仕上がる。
今回の展示は、環境を美化する製品が、空間の美しさを損ねる存在となっていた状況を解決すべく、パイオニアとしての同社の矜持を感じる回答といっていい。



吸塵・吸水性に富む、コーラル・クラシックタイルのカラーバリエーション
吸塵・吸水性に富む、コーラル・クラシックタイルのカラーバリエーション


左・傘袋回収器、右・傘袋装着機。回収器は店舗・施設のエントランスの美化、非接触、人的負担軽減に極めて効果的
左・傘袋回収器、右・傘袋装着機。回収器は店舗・施設のエントランスの美化、非接触、人的負担軽減に極めて効果的

RELATED ISSUES

一覧に戻る

PAGETOP