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岐阜県・関ケ原の石材メーカー関ヶ原石材の工場内に、世界中から選りすぐった天然石のショールーム「Strad.StoneGallery」が誕生した。希少な天然石をコレクションした関ヶ原石材のオリジナルライン「Strad.」の世界観を、トラフ建築設計事務所がデザイン。アート作品のように天然石を選べる楽しさが詰まった空間を紹介する。

2022年11月1日、関ヶ原石材の工場敷地内にオープンした「Strad.StoneGallery」。世界各国の個性豊かな天然石に通じながら、日本の美意識やスタイルを知り尽くし、創業から70年間培われてきたノウハウを持つ関ヶ原石材のオリジナルラインとして立ち上げた新ブランド「Strad.（ストラド）」を紹介するギャラリー型ショールームだ。2019年に先行してオープンしたイタリア発の石材ブランド「Antolini」の隣に、かつての石材工場をリノベーションして、「Strad.」のコレクションを集めた。ブランディングとクリエイティブディレクションをザッツ・オールライト、ギャラリーデザインをトラフ建築設計事務所が担当している。
建物の前でひときわ存在感を放つのが、天然石のゲートだ。採石場から切り出され、海を渡って輸出された原石の塊が2段と3段に積み上げられたゲートは圧巻の一言。デザインを担当した、トラフ建築設計事務所の鈴野浩一さんが、関ヶ原石材の工場内の原石置き場から着想を得たというプリミティブなデザインは、来訪者に驚きと石の迫力を伝える。
ゲートをくぐり、中に入ると広大な空間が目の前に飛び込んでくる。入り口には、年に1度更新するシーズンコレクションとしてセレクトした6種類の石と、石の世界観に合わせたビジュアルを展示するコーナーが設けられている。その一角には、繊細な花びらなどのモチーフを大理石で表現するイタリアのラグジュアリーブランド「LithosDesign（リトスデザイン）」のテーブルを配置。
奥に進むと、同社の目利きバイヤーが集めた72種類の希少な板石がずらりと並ぶ。普段見本帳などで目にする小さな石のサンプルでは分からない、大判ならではの石の模様やテクスチャーを確認できる。ここでじっくり気に入った石を選び、石の専門家でもある関ヶ原石材のスタッフが、トリミングの位置やカット、ディテールの加工など要望に合わせてサポートし、すぐ隣の工場で加工に当たる。調達から加工、施工までをワンストップで行えるため、天然石ならではの色調コントロールや模様をマッチさせるトリミングまでを一貫して行うことが可能だ。戸建住宅のテーブルやキャビネット天板から、大規模な商業空間の内装材まで、幅広いオーダーに対応してくれるため、デザイナーにとっては心強い。石を見て、触れて、体感する「Strad.StoneGallery」は、これまでにないデザインのアイデアやインスピレーションを刺激してくれることだろう。