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デザイン&マネジメントで多様なケースに応じた空間ソリューションを/デザインアーク

2022.10.28 | REPORT

上/外の景色を楽しみながらさまざまな過ごし方ができる“ つながり”をテーマにした食堂。グループ会社や取引先、桜の季節には地域の人にも開放している



デザインアークは空間に関わる四つの事業を手掛ける。エクステリアを中心とした建材事業、住空間を中心としたインテリア事業、仮設現場事務所への備品やエアコン等を貸し出すレンタル事業、そして、オフィスや店舗、ホテルなど施設の空間デザイン・提案を行うスペースソリューション事業だ。創業は50年を超え、2014年に現在の商号となった。いわゆる、FFE(家具・什器・備品)ビジネスを長く手掛けており、家具の選定・調達では一日の長がある。
スペースソリューション事業では、施設の企画から設計、施工、アフターフォローまでを一貫して請け負う。特にオフィスでは、それぞれの顧客毎に独自の事情や細かいニーズが存在し、それをトータルでサポートできる同社の体制は、費用対効果も含めて高いパフォーマンス、顧客満足を実現する。

社員や地域とのつながりをつくるオフィス

2021年に竣工した、兵庫・加古川にあるマテハン機器・物流システムの総合メーカー、「オークラ輸送機」の新社屋。このプロジェクトでは、内装の設計・施工に留まらず、PM(プロジェクトマネジメント)業務も担当。プロジェクトのコンペ段階から、建築を担う大和ハウス工業と共同で提案にあたった。全社員のアンケートやワークショップなども重ね、ニーズをくみ取った上でコンセプトを「CONNECTOffice」として、さまざまな“つながり”をデザインでも意識させるものだ。
1927年創業の同社の本社工場敷地内に立地し、展示施設や食堂など一部を地域に開放するなど、新しい価値創造に向けた試みが建築やデザインでも反映されている。
社屋は前庭の桜の木を囲むように曲線を描いて建っており、オフィスのさまざまな場所から見られるように計画された。桜は樹齢100年で会社の歴史と重なり、地域住民にも愛される存在で、そうしたストーリーとデザインとの融合もプロジェクトの求心力や説得力を持たせる上で重要だった。
オフィスインテリアでは、動線に重なるようにリラックスエリアを設け、新たなクリエーションにつながる社員同士の交流を促している。ちょっとした隙間のコミュニケーションがアイデアを活性化させるという考えだ。壁や床のグラフィックでもそれを意識させるよう構成した。途中コロナ禍となり、レイアウトの変更を余儀なくされながらも、会社や社員の求める、空間づくりのまとめ役を果たした。
この新社屋は、2022年度第35回日経ニューオフィス賞で近畿ニューオフィス奨励賞を受賞している。


ミーティングや休憩などを行える、水たまりをイメージしたデザインのリフレッシュスペース
ミーティングや休憩などを行える、水たまりをイメージしたデザインのリフレッシュスペース


打ち合わせスペースとしても利用できる廊下エリア。壁面と床面のラインのつながりを意識したデザイン
打ち合わせスペースとしても利用できる廊下エリア。壁面と床面のラインのつながりを意識したデザイン


ライブラリースペース。デザインアークが製作した造作家具が並ぶ
ライブラリースペース。デザインアークが製作した造作家具が並ぶ


外観写真
外観写真

「オークラ輸送機」DATA


床面積 4368㎡
施設利用従業員数●110人
工期●2021年2月~ 2021年5月 
竣工●2021年5月

リノベーションで個性のあるオフィスを

大阪・豊中市にある経営コンサルタント「日本経営」のオフィスは、緑地公園駅に直結の緑地駅ビル内にある。築45年という歴史のある建物だ。その立地や利便性などから、テナントとして入居しているフロアをリノベーションするというプロジェクトとなった。
コンセプトは「Workinresidence」とし、オフィス然とした無機質な空間ではなく、安らぎや開放感といった、よりエモーショナルな部分に訴えるゾーニングやデザインを取り入れている。全体に落ち着いた色調のテイストで、フリーアドレスを多めに、窓際のカウンター席やカフェ風のコワーキングスペースをレイアウトしている。
移転リニューアルではなく、リノベーションという点でよりマネジメントの部分でデザインアーク側への期待も大きかった。コンサルティング業務というオフィスでは珍しく、スケルトン天井と割り切った一方で、コワーキングスペースではオリジナル製作のベンチソファを入れるなどメリハリを付けながら、コストバランスを図り、コンセプトの実現と顧客の要望を叶えている。前述のようにFFEで実績のあるデザインアークならではの、家具の選定・調達からデザイン・製作までを見通したマネジメントが生きている。オンライン化が進んだ現代のオフィスではイスを始めとした家具の有り様が、空間の雰囲気や人の振る舞い・アクティビティー、ひいては生産性に直結する。床・壁・天井の設えと一体に、統合したデザインスキルが必要な部分だ。


昼食にも利用できる、カフェのようにゆったりと寛げるコワーキングスペース。75インチの液晶ディスプレイを壁面に備えており、資料を映してディスカッションも行える
昼食にも利用できる、カフェのようにゆったりと寛げるコワーキングスペース。75インチの液晶ディスプレイを壁面に備えており、資料を映してディスカッションも行える


執務エリアは、フリーアドレス席やミーティング席、カウンター席、ソロワークやグループミーティングにも利用できるビッグテーブルもある
執務エリアは、フリーアドレス席やミーティング席、カウンター席、ソロワークやグループミーティングにも利用できるビッグテーブルもある


オンラインミーティング用のブースを多数設置
オンラインミーティング用のブースを多数設置


デザインアークが造作したボルスターベンチ(写真奥)。一つひとつ生地から選んで製作した
デザインアークが造作したボルスターベンチ(写真奥)。一つひとつ生地から選んで製作した


コワーキングスペースのラフスケッチ
コワーキングスペースのラフスケッチ

「日本経営」DATA


床面積 740㎡
施設利用従業員数●100人
工期●2021年12月~2022年1月 
竣工●2022年1月

デザインとマネジメントで人のための空間をつくる

空間デザインでは長らく、建築・内装・家具什器・照明といったように、分業的に設計・施工・製作が進められ、かつてはそれが効率的であったが、現在はより細やかに、人を取り囲む空間の要素を一体にデザインすることが求められている。特にオフィスでは、働く人の意識や感情にうまく作用する空間デザインが、経営的な合理性にも適うため、より必須なものとなってきている。
デザインアークでは、デザインとマネジメントを一体に手掛けることで、さまざまな状況に応じた空間ソリューションを進めていくという。オフィスそのものが変容していくなか、遊休不動産の活用などリノベーションやコンバージョンの需要は今後高まると思われ、同社の総合力が活用されることになるはずだ。

デザインアーク

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