Loading...

id+ インテリア デザイン プラス

インテリアデザイン・建材のトレンドを伝えるメディア Presented by 商店建築

  • Home
  • 記事を読む
  • REPORT
  • 音響メタマテリアル技術を応用した硬質吸音パネル/ピクシーダストテクノロジーズ

音響メタマテリアル技術を応用した硬質吸音パネル/ピクシーダストテクノロジーズ

2022.10.28 | REPORT

ピクシーダストテクノロジーズは、研究開発から連続したサービス提供を目指す大学発のスタートアップ企業だ。メディアアーティストで研究者でもある落合陽一氏が代表を務める。コア技術は光や音の波動制御で、鹿島建設や野原ホールディングス、イトーキなどと協業することで、実際の空間におけるサービスやプロダクトをつくり出している。
「iwasemi(イワセミ)」は、「音響メタマテリアル技術」を応用した吸音材。共鳴構造を利用し、高度な解析によって表面の穴の数や位置を決めることで、任意の周波数を吸音できる仕組みだ。これにより自由な素材や形状を実現している。オフィス等で使われる吸音パネルは一般にグラスウールやフェルトが使われるが、そうした吸音材然とした佇まいとは異なる全く新しい意匠性を獲得した。人の話し声の主周波数に相当する500~1000Hzの帯域を狙って吸音することで、快適に会話しやすくなるのもポイントだ。第1弾として2022年7月に発売された「iwasemi HX-α」は、イトーキとの共同開発で、透明素材とし、ガラスパーティションに取り付けられる画期的なものだ。
さらに、2022年12月に発売予定の「iwasemi SQ-α」では、自社オリジナル製品として意匠性の高さもさることながら、使いやすさにも配慮した。リサイクル樹脂を60%使用した225㎜角のパネルは、中央部分がわずかな膨らみを持っていて、硬質な素材でありながら、柔らかさも包含した奥行きのあるデザイン。エッジ部分は薄く仕上げ、取り付けた壁から浮遊したイメージをつくり出している。8色(+受注色2)をそろえたカラーもこだわり、テクスチャーや光沢でそれぞれ異なる素材のような見え方を誘う。本体は軽量で基本はマグネットで取り付け・設置する。
国内生産で素材や工法も特殊なものではないので、コスト的にも有利に働いた。一方、同社でしか成し得ないテクノロジーとデザインによって、これまでにない吸音パネルとして全く独自の存在感を放つ。
同社オフィスにはサンプルおよび効果を体感できるショールームがある。他にも部屋の反響レベルの測定をして設置数などもアドバイスできるそうだ。



再生樹脂を用いた硬質な素材でありながら、表面に三次曲線で柔らかみを表現。特注色の塗装にも対応する
再生樹脂を用いた硬質な素材でありながら、表面に三次曲線で柔らかみを表現。特注色の塗装にも対応する


「iwasemi」の技術は材質や形状を問わず応用が可能。左からABS樹脂、アルミ、アクリルに採用したサンプル
「iwasemi」の技術は材質や形状を問わず応用が可能。左からABS樹脂、アルミ、アクリルに採用したサンプル

ピクシーダストテクノロジーズ

RELATED ISSUES

一覧に戻る

PAGETOP