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木を中心に上質な空間提案プロデュース/板蔵ファクトリー

2022.04.28 | REPORT

上/木材と他素材の組み合わせの妙が感じられるキッチン。天板はパタゴニアという御影石


無垢や一枚板の上質な木材を中心とした、本物の素材を生かした空間提案や家具づくりなど、より幅広い商材展開を進めている板蔵ファクトリー。関連会社に創業100年以上となる建築資材総合商社であるヤマガタヤ産業を持ち、扱う素材の質の高さには確かなものがある。
今回の展示では、木と石のコラボレーションによるセミオーダーキッチンを中心に、その多彩なプロデュース力を披露するかたちとなっていた。キッチンは天板にパタゴニアと呼ばれる御影石を贅沢に使い、複雑で自然の不可思議さを強く感じさせる。その強さに引けを取らないよう腰板は希少な黒柿の無垢板を使っている。墨で描いたような、力強い黒の文様は自然の素材だからこそなせる技だ。天板や面材だけでなく、金物の選定や収納などのディテールも含めて、同社で設計し、製品として発売。2021年10月よりオーダーを開始している。
展示ブースではキッチンのほか、カップボード(壁面収納)も設えられた。御影石(ブラックアイス)をハイドロ仕上げ(高圧水を当て表面を荒らした仕上げ)したカウンターや、耳付きのポプラ無垢板による大判のスライド扉など、こちらもそばで見て、触れると本物の自然素材でしか出し得ない質感や雰囲気を堪能できる。モノと対面したときの人の振る舞いを変えてしまうプレゼンスがある。
無垢材や一枚板ならではのデザインや設え方は、どうしても管理やメンテナンスなどでの難しさ、扱いにくさを感じてしまう。木のことを知り尽くしている同社であれば、仕入れから製材、加工、仕上げなどあらゆる面で、多種多様なオーダーに対応できる。加えて素材だけではなく、家具や造作、そして空間全体とトータルプロデュースできる点が大きい。施主やデザイナーの素材へのこだわりが強ければ強いほど、同社の総合プロデュースがより頼りになるはずだ。また、ブランドサイト「板蔵」(https://itakurawood.com/)では、約6000枚もの無垢板在庫の実物写真、価格、寸法などが閲覧可能。中には数百万円という銘板もあり、見ているだけでも楽しめる。

表情豊かな木材を大胆に面材に活用。ハイドロ仕上げのカウンターとともに来場者の目を惹いた
表情豊かな木材を大胆に面材に活用。ハイドロ仕上げのカウンターとともに来場者の目を惹いた


木材と石材という重厚感のある素材に対して、脚部にアクリルを用いて軽やかに仕上げたテーブル
木材と石材という重厚感のある素材に対して、脚部にアクリルを用いて軽やかに仕上げたテーブル

板蔵ファクトリー

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