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安全性とユーザビリティを高めた殺菌ランプのプロダクト群

2021.09.13 | INFORMATION

機器内に空気を取り込み、UV-Cを照射した後、上部から排出する空気タイプ。UV-Cは外部に漏れず、有人の環境でも常時使用が可能


フィリップスと言えば、小誌読者の多くには、照明ブランド、とりわけ光源・ランプのメーカーとして浸透しているだろう。130年の歴史を持つ同社の照明事業は、2016年にフィリップスライティングとして分社化し、2018年からはシグニファイとなった。



同社の「フィリップスUV-C」シリーズは、その長い歴史や蓄積が生かされた製品だ。特定の波長の近紫外線(UV-Cは波長範囲100nm~280nm)は高い殺菌効果があり、いわゆる殺菌ランプ(国内ではJISC7605で規定)がよく知られるところだ。効果や人体への影響なども国際的に多くの検証がなされ、有効なエビデンスがある。



35年以上に渡り、そのランプを製造し、世界中のメーカーに供給してきているのが同社で、実に世界で5億本という実績がある。コロナ禍を受け、同社ではその実績とノウハウをより活用するため、2020年より殺菌ランプを組み込んだ複数のプロダクトを開発、発売した。効果的なUV-Cの照射機能と、人体やペットに有害なUV-Cに対応する多重に設けられた安全策を兼ね備えているのが大きな特徴だ。



有人環境でも使用できるよう、人の背が届かない天井付近の空気にUV-C光を照射する上層天井取り付けタイプ。壁面取り付けタイプもある
有人環境でも使用できるよう、人の背が届かない天井付近の空気にUV-C光を照射する上層天井取り付けタイプ。壁面取り付けタイプもある


製品は用途や目的に合わせて、三つのタイプが用意される。空間に対し直接照射する「表面タイプ」は、照明のように周囲に紫外線を照射するもので、住宅など小空間向けの「デスクライト」と、オフィスなどのより広い空間向けでキャスター付きの「トロリー」がある。いずれもタイマー設定で管理でき、高感度な人感センサーの搭載で周囲に動きを感知すると作動しないようになっている。



シグニファイジャパン3


床・壁・家具などに直接UV-C光を照射するデスクライトとトロリー。トロリーはアーム1本のタイプもある。無人環境でのみ作動するよう万全の安全対策が施されている
床・壁・家具などに直接UV-C光を照射するデスクライトとトロリー。トロリーはアーム1本のタイプもある。無人環境でのみ作動するよう万全の安全対策が施されている


またデスクライトでは、音声操作ガイドで誤操作を防止するなど、フールプルーフの設計思想が徹底している。「空気タイプ」では「上層空気型」と「室内空気型」の2モデル。上層空気型は、2.3m以上の天井もしくは壁に取り付けるものだ(それぞれ形状も異なる)。



自然対流した空気に光を当てるため、設置は同社の認定工事業者が行い、空気の流れをシミュレーションして、人が誤って紫外線を浴びないよう配慮がされる。室内空気型は、置き型のスタイルで空気清浄機のようにファンで空気を取り込んで殺菌するため、対時間効果が高い。会議室や社員食堂のように一時的に多くの人が利用する空間などに向いている。



ランプの光はまったく見ることができず、高い安全性があり、常時使用できる。空気タイプはいずれも9000時間(24時間×365日に相当)というランプ寿命でメンテナンス性も高く、オフィスや店舗などを稼働しながらの使用を想定している。また、室内空気型は、ホームユースを見込んだより小型のものと、細かな粉塵を捕集するフィルター付きの製品を2021年秋には新発売する予定という。



最後は生活雑貨などに対応する「小物タイプ」で、密閉容器内に小物や備品を入れて紫外線を照射する。「チャンバー」「ボックス」「ケース」の三つを用意した。こちらも蓋と連動したスイッチなどでよりフェイルセーフな設計となっている。紫外線ランプは、蛍光灯などと同様のコンベンショナルな技術だが、コロナ禍による需要の高まりを見込んで、同社ではラインを増強し、製造キャパシティーを8倍とした。



密閉された庫内で、小物にUV-C光を照射する小物タイプ。チャンバー(写真)のほか、小容量のボックス、ケースもある
密閉された庫内で、小物にUV-C光を照射する小物タイプ。チャンバー(写真)のほか、小容量のボックス、ケースもある


既に世界中で納入実績があり、特に日本は大きな市場になりつつある。「フィリップスUV-C」シリーズには、賠償責任保険が1年間無償付帯される。製品を使って、万が一紫外線を浴びた場合の補償に備えるものだが、この保険の存在自体が、安全性と低リスクを担保している証といえる。

シグニファイジャパン合同会社

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