Loading...

id+ インテリア デザイン プラス

インテリアデザイン・建材のトレンドを伝えるメディア Presented by 商店建築

新たな発光技術で進化し続けるサイン
ゼロチャンネル クリアライト

2016.09.05 | REPORT

商空間や建築に欠かせない、サインやチャンネル文字。東京都足立区に自社工場を構える発研セイコーは、業界随一の技術力とコストパフォーマンスの高さで、多くの企業から厚い信頼を得ているLEDサイン製作会社だ。

同社の看板商品である「ゼロチャンネル」がさらに進化を遂げ、チャンネル文字の表現の可能性が広がった。

チャンネル文字製作において、業界内で一目置かれる発研セイコー。その始まりは、板金でロゴタイプを立体的につくり、アクリル板と光源を組み合わせて一面を発光させる商品「ゼロチャンネル」だった。



通常、板金にアクリル板を組み合わせる場合、アクリル板を固定するための部材「押さえ縁」が必要となる。しかし同社は部材を使わず、アクリル板の縁に溝を彫り、勾配を付けることで、板金の枠内にアクリル板をぴたりとはめこむ精密な加工技術を持つ。このように部材を完全排除した「フレームレスサイン」を特徴とし、小さな文字や細い文字のオーダーにも難なく応えてきた。



そもそも「ゼロチャンネル」という商品名は、板金とアクリル板との誤差がゼロという意味で付けられたものだ。その名からしても、加工技術に対する絶対の自信が現れている。



これまでに同社は「ゼロチャンネル」で正面発光をはじめ、正側面発光、側面発光、背面発光、背側面発光、両面発光など、様々な発光方法を開発し、チャンネル文字の新たな表現に挑んできた。



そのさらなる進化版が登場した。一つは、これまでとは違う透明度と輝きを持ったチャンネル文字「ゼロチャンネル クリアライト」である。



これまで背面に使用していた乳半色のアクリル板の質感を変え、3種の透明色のアクリル板に挑戦したのである。それはパキッとした立体感のある光を放つ透明色のアクリル板、ふわっとした柔らかな光を放つ、透明色にフロスト加工を施したアクリル板、キラッとした奥行きのある光を放つ、透明色の縁にラインを入れたアクリル板の3つである。



フロスト加工を施した、すりガラス調マット仕上げのRGBバージョン(左)、クリアレッド(右)
フロスト加工を施した、すりガラス調マット仕上げのRGBバージョン(左)、クリアレッド(右)


「透明色のアクリル板を使うと、板金の枠内にあるLED粒子が見えてしまうため、これまではなかなか使いづらい素材でした。そこで間に特殊素材を差し込むことで、遜色がない外観を実現しました」と、同社代表の久永満勝氏は説明する。これは背面のみならず、側面や正面にも応用可能である。特に側面をフロスト加工を施したアクリル板にすると、これまでにない美しいチャンネル文字ができあがる。また3種の透明色のアクリル板の表面にロゴマークなどの彫刻を施すことも可能だ。



精巧な加工技術で模様とエッジ処理を施した正面発光バージョン。透明部分の厚みと立体感から生まれる輝きは圧巻
精巧な加工技術で模様とエッジ処理を施した正面発光バージョン。透明部分の厚みと立体感から生まれる輝きは圧巻


もう一つ挑戦したのは、まるでメッキ仕上げのような塗装技術だ。



独自に塗料を研究し、下地となる板金の表面を生かしながら、何層にも均一に色を重ねることで、ゴールド、ブラックニッケル、銅、ブロンズなどの雰囲気を持つ板金を完成させた。ツヤ、マットなどの質感も自在に表現できる。「これまでの切文字で培ってきた技術が生かされた。塗装はいかようにも可能」と久永氏は言う。



塗装技術を生かしたメタリック仕上げのバリエーション。メッキ仕上げのように輝くゴールド、ブラックニッケルのヘアライン仕上げ、銅、ブロンズなど、多彩な質感表現が可能
塗装技術を生かしたメタリック仕上げのバリエーション。メッキ仕上げのように輝くゴールド、ブラックニッケルのヘアライン仕上げ、銅、ブロンズなど、多彩な質感表現が可能


メッキ仕上げは高級感を演出することから、特に高級ブランドの店舗にニーズが高い。ただしサインやチャンネル文字に、本物のメッキであることはあまり要求されない。それよりも精密で美しい仕上げであることと、コストや納期が何より問われる。通常、メッキ仕上げを行うとなると、専門業者へ依頼しなければならないため、納期に最低でも2〜3週間を要してしまう。その分、コストも跳ね上がる。しかし、同社での納期はおよそ一週間。自社工場で一貫製造を行っているため、迅速な納期が可能なのである。



もう一つの特徴は、LEDで光の三原色RGBを組み合わせて、発光色を自在にコントロールできることである。つまり3種の透明色のアクリル板、メッキ仕上げのような塗装、RGBの光を組み合わせることで、チャンネル文字の表現の可能性がさらに広がったということだ。



「チャンネル文字製作でできないことはない。自由に注文してほしい」と久永氏は意気込む。まさに、デザイナーの自由な発想を叶えるLEDサイン製作会社なのである。

発研セイコー

RELATED ISSUES

一覧に戻る

PAGETOP