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空間デザインを輝かせる精細なガラス加工

2020.08.27 | INFORMATION

東京・大田区大森。戦後は京浜工業地帯の一角として多くの工場が建ち並んでいたエリアだが、日本が豊かになった昭和後期から住宅や商業地へと大きく変貌した。西尾硝子鏡工業所はその大森で90年近く工場を営む。主に店舗を始めとした内装用のガラス・鏡の加工を手掛け、ハイブランドブティックやホテルのレストランなどの造作や什器で多数採用されている。




空間においてガラスは、「光」の素材と言える。ほとんどの場合素材自体ではなく、反射や透過、拡散という効果によって、光の特性を生かして空間デザインで作用する。人は光の存在に注意が行きやすく、ごくわずかな違いも気になる。だからこそ、繊細で精巧な加工が必須なのがガラス加工だ。また割れやすく、欠けやすいため、取り扱いにも細心の注意が求められる。機械加工だけに頼ることはできず、職人の手作業によるわずかな調整や塩梅が欠かせない。



高い精度が求められる形状には治具を用い、わずかな誤差も出ないように仕上げる。高品質な製品をつくるために職人全員が知恵を出し合う
高い精度が求められる形状には治具を用い、わずかな誤差も出ないように仕上げる。高品質な製品をつくるために職人全員が知恵を出し合う



特にガラス同士の接着では、同社の高い技術力が生きている。気泡や接着跡が見えないように、精緻で美しい接着面をつくるためには、その前段階の切断や磨き加工での精度も重要だ。大型のNCガラス切断機を始めとして、小口磨きや面取りの加工機、あるいはより自由な形状の切り出しを可能にするCNC加工機などを駆使しつつ、チームワークを意識した職人主体のものづくりが実践されている。



ガラス接着には、接着面の高い精度と、過不足のない接着剤、そして確実な硬化が求められる。同社の接着技術は業界内でも評価が高い
ガラス接着には、接着面の高い精度と、過不足のない接着剤、そして確実な硬化が求められる。同社の接着技術は業界内でも評価が高い



この度、同社では高い技術力を生かし、「DUAL(デュアル)」というプロダクトブランドを開発。ハーフミラーを用いた内照式のガラスショーケースのシリーズだ。宝飾品や時計など小物を展示収納する想定でつくられており、通常はミラー状となり中が見えないが、LED照明を点灯すると内部が浮かび上がり、かつ鏡像が反復することで幻想的なイメージを生み出す(ガラス面が平行の場合)。



キューブ型から矩形、5角錐台など形状でバリエーション展開。台座にウォールナットの無垢材を用いるなど高級感も高めた。光るショーケースとなれば、高い集中力を持って人の視線が向く。そこにあえて挑戦した、同社のガラス加工に掛ける自負が潜んでいる製品だ。




西尾硝子鏡工業所1
> 内照式ガラスショーケース「DUAL」。写真の製品は、サイズ:w750×d300×h274㎜。全5種の形状を用意する

西尾硝子鏡工業所

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