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電子機器や基板製作技術を生かした素材が新しい空間デザインの可能性を見せる

2020.08.27 | INFORMATION

兵庫県明石市に拠点を構え、電気・電子機器向けの樹脂成形品、端子台やプリント配線基板の設計・製作を中心に事業を展開する総合アセンブリメーカー、水田製作所。近年はその樹脂成形や基板製作の技術を生かし、照明器具や建材の製造をスタートしている。同社は1934年に創業し、大手メーカーのサプライヤーを担うなど、電気機械器具や重電の分野でシェアを拡大してきた。



2010年代に入り、自社の技術力や知識を継承していくことを目的として、建材を始めとする新規事業を手掛けるに至った。多岐に渡る事業のなかでも、特にカーボン素材を用いたプロダクト「Wood Carbon」は、新しい内装材としての魅力を感じさせる。




社員食堂床面はかつての工程で発生した塗料の跡が残る。役目を終えた工業機械とともにビンテージ感を生み出した
社員食堂床面はかつての工程で発生した塗料の跡が残る。役目を終えた工業機械とともにビンテージ感を生み出した


同社の精密なプレス加工技術により、硬質なイメージのあるカーボン素材が、織り込まれた繊維の深みのある質感、木目を模した表面仕上げなど多彩な表情を見せ、パネル材や床材を始めインテリアでのさまざまな活用が期待できる。



その他、同社にとっては当たり前であったプリント基板の技術が、クリエイター視点で照明器具「KIBAN:LIGHT」などの全く違うプロダクトに生かされるなど、異分野との出会いが新たなソリューションを生み出している。



社員食堂の円形テーブルブース。正面壁は「Wood Carbon」を斜め貼りにしたもの
社員食堂の円形テーブルブース。正面壁は「Wood Carbon」を斜め貼りにしたもの



また、同社ではイノベーションよる成長戦略のもと社員同士の繋がりから新しい付加価値を生み出せるような職場作りを始めており、2020年春、明石市の硯町工場では社員食堂とオフィスをリニューアルした。食堂のリニューアルは設計事務所のSOL style(http://www.sol-style.info/)によるもので、使用されなくなった製造現場をリノベーションし、昼間は食堂兼カフェ、夕方以降はラウンジとして社員誰もがコミュニケーションの場として気軽に利用できる場へと変化した。



オフィスは、同社の基板製作技術をモチーフにしたパターンのカーペットが敷かれ、空間のさまざまな場所にカーボン素材のパネルや照明を組み込んでいる
オフィスは、同社の基板製作技術をモチーフにしたパターンのカーペットが敷かれ、空間のさまざまな場所にカーボン素材のパネルや照明を組み込んでいる



フロアには水田製作所の技術を応用した照明器具「KAGEE」や、建築材「Wood Carbon」が随所に施され、同社の技術力が魅力的な演出効果に大きく関わっている。食堂内の一部には、かつて使用していた工業機械をインテリアとして取り込むなど、長年受け継がれてきた同社の歴史と技術、さらにこれからを見据えるクラフトマンシップがSOL styleにより体現された場所となった。



オフィス内カウンター上には「KIBAN:LIGHT」のペンダントタイプが設置された
オフィス内カウンター上には「KIBAN:LIGHT」のペンダントタイプが設置された



一方、オフィスデザインは家具メーカーのオリバー(https://www.oliverinc.co.jp/)が手掛けている。エントランスには水田製作所のコア技術でもある基板回路をモチーフにしたカーペットが広がり、そこには同社のカーボン素材がオリバーの手によりフロア材に取り込まれている。



他にも基板LEDとカーボン素材を組み合わせた照明器具「KIBAN:LIGHT」を使用したカーボンウォールなど同社の技術力と家具メーカーとの共同開発品がオフィスフロア内各所に組み込まれ、社員同士によるイノベーションを誘発させるような空間をオリバーの家具とともに演出している。今回のラウンジやオフィスをモデルケースとし、同社の技術がインテリアデザイン業界をはじめとする多様な分野に活用されることに期待したい。




飲食や休憩に使用する社員食堂。床や天井の一部をスケルトンとした他、窓の紫外線防止フィルムを残すなど、工場として活用されてきた歴史をデザインに取り込んでいる
飲食や休憩に使用する社員食堂。床や天井の一部をスケルトンとした他、窓の紫外線防止フィルムを残すなど、工場として活用されてきた歴史をデザインに取り込んでいる

水田製作所

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