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構造材や下地材を中心に取り扱う竹村工業が開発した「レノウッド」は、木と水、セメントのみを用いた、化学物質ゼロのパネル建材であり、吸音性能を始めとする機能と共に、空間の意匠性にも寄与する素材感を持ち合わせている。使用する原料と製造工程によって実現した人体にも優しい環境性能から、オフィスや教育施設や住宅、飲食店に至るまで、さまざまな空間で活用されている。

レノウッドの製造は、国産ヒノキの間伐材を原料とした長繊維木毛とポルトランドセメントをプレスしてつくられ、接着剤などを使っていないため揮発性有機化合物（VOC）に対する安全性が確保される。また、防腐剤や防蟻剤の混入の可能性がある建築廃材は使用していない。

性能面では、国土交通大臣の認定を受けた高い耐火性、耐久性、耐蟻性を持つ他、ヒノキによる消臭効果、調湿性能、そして吸音性能が実証されている。他の内装仕上げ材との比較においても、岩綿吸音板にも引けを取らない吸音率を持ち、一般的仕上げ材よりも音響に気を使う場所に最適だ

実際に、使用された教育施設のダンススタジオや体育館では、音の反響を低減し、利用者が快適に過ごせる環境を生み出しているという。調湿や消臭効果と合わせ、不特定多数の人が利用するオフィスや飲食店などでも重宝する、目に見えない空気をデザインできる建材と言えるだろう。

一方、レノウッドが多様な場所で使用されるポイントに意匠性と施工のしやすさが挙げられる。パネルの厚さは14㎜と18㎜の2種類、サイズは300角〜900×1800㎜の大きいものまで多彩なバリエーションが用意されている（14㎜厚は最大900㎜角）。カラーは、ナチュラル、クリーム、白、ライトグレーで、表面へのペイントも可能。

特に木質系素材で、化学物質を使わずに清潔感のある白い色を出せているのも特長だ。パネルは通常の木工作業用の道具で加工でき、軽量でもあるため、施工現場でのサイズ調整や取り付けが容易。短冊状にしたものや市松模様での配置、表面に段差を付けての設置など、空間における造形的な自由度を広げてくれる。既存空間へ後から設置もできるためリノベーションにも活用できるだろう。

同社では、この他に吸音性や遮音性に優れた木毛セメント板「ポリッシュボード」シリーズを提供し、安全かつ質の高いインテリアデザインを後押しする製品をラインアップしている