Loading...

id+ インテリア デザイン プラス

インテリアデザイン・建材のトレンドを伝えるメディア Presented by 商店建築

デザインが水まわりを
より人に近い場所へ導く

2019.11.05 | INFORMATION

セラトレーディングより今年3月に発売された洗面キャビネット「L-CUBE(エルキューブ)」。
独・DURAVIT(デュラビット)社の優れた技術開発力と製造精度の高さが生み出した、洗面器具と家具の洗練されたフュージョンともいえる製品だ。
それは、人の生活に水があることの気持ち良さを改めて教えてくれる。

切り離せない水と人の関係

水は生物にとって不可欠であり、人の生活からも切り離せない存在だ。「飲む」「洗う」「整える」―さまざまな人の営みの中で、中心にあるといっても過言ではない。


建築や空間づくりにおいては、水を扱う場所はいわゆる設備や機器とともに、人の普段の居場所とは切り離されてきた。しかし、近年は水と人の居場所を近づける潮流にあるのも確か。例えば、住宅のキッチンカウンターはアイランド型などオープンスタイルで、リビングやダイニングの近くに置かれることも多い。素材も無機質なステンレスではなく、陶板が用いられたりしている。これは調理しながらのコミュニケーションという要素に加えて、水が気軽に使えるという利点も見過ごすことはできない。


セラトレーディングが販売する洗面キャビネット「L-CUBE」は、陶器の洗面と、収納のためのキャビネットを一体化した製品だ。同社が長く取り扱うDURAVITの中でも、家具的要素の強いバスルームファニチャーシリーズとされるもの。DURAVITは創業200年を超える有数のバスルームブランドで、現在は世界中に12の生産拠点を持ち、グローバルに展開する。幾多の国際的なデザイン賞を受賞、そのデザイン性も高く評価される。


「同社では30年程前から家具的な要素を持つ製品の開発を進めています」と、セラトレーディング・営業部コミュニケーショングループの宮本真希氏は説明する。水まわりを切り離さずに、空間をトータルでコーディネート、デザインできるプロダクトをここ数年、積極的につくり出しているという。水栓金具も2年前からラインアップする。


ドイツのデザイナー、クリスチャン・ヴェルナーによるL-CUBEの特徴は、装飾を排し、面やラインのみを強調した、ミニマルで静謐なデザイン。コンセプトは「タイムレスなデザインがつくり出すエレガントな空間」(宮本氏)だ。


引き出しの機構部は、操作性と信頼性の高いBLUM(ブルム)社製。横からは金属製のレールが見えず、空間のイメージを損なわない
引き出しの機構部は、操作性と信頼性の高いBLUM(ブルム)社製。横からは金属製のレールが見えず、空間のイメージを損なわない

二つのラインとエッジの効果

特に「シャドーギャップ」と呼ばれる水平と垂直のラインは、あえてクリアランスが大きくデザインされ(水平側15㎜、垂直側10㎜)、スクエアな全体を締まって見せる。また、宙に浮いたようなフロートタイプであることに加えて、水平ラインが四辺に回り込むことで、洗面陶器の重いイメージを払拭し、軽やかさを与えるのに成功している。


更に、ここで紹介したいのは、L-CUBEシリーズの中でもより特別な技術「C-BONDED(シー・ボンデッド)」の採用だ。陶製の洗面器の側面まで仕上げの面材が覆っていて、その境界にはシーリングも見切り材も存在しない。DURAVITの独自かつ革新的な技術により、陶器に直接面材を接着し、まるで突き付けのような明快なエッジをキープしている。


器よりも遙かに大きな焼きものである洗面器具は、製造時に寸法誤差が生じやすいが、洗面の天板にあたる部分は見事にフラットで、陶器ということを忘れてしまいそうだ。DURAVITの秀でた製造精度が、細かなディテールの意義をより効果的にしている。面材には、カシミアオーク(突き板耐水コーティング)とバサルトマット(メラミン化粧板)の2種から選べる。

2段収納で十分な収容力を誇る。また、陶器製の目皿を採用することで、金属の冷たいイメージを極力排除している
2段収納で十分な収容力を誇る。また、陶器製の目皿を採用することで、金属の冷たいイメージを極力排除している

ホテルやオフィスに水のある居場所を

最近では、ホテルの客室でもベッドルームとバスルームの境界は薄れつつあり、洗面はその中間的な場所に置かれることも増えている。L-CUBEの家具らしいシャープなフォルムとアースカラーの仕上げは、ベッドから見える場所でも自然な雰囲気を保てるだろう。


あるいは、近年はオフィスデザインにおいても、かつてのスチールの事務機器が占める空間から、時にはカフェのような、あるいはリビングのような人の居場所として、快適性やコミュニケーション性を高めたものへと変貌している。ちょっとした気分転換や身繕いのために、手を洗ったり、水を飲んだりできる場所がワークスペースの片隅にあっても違和感はない。デジタルスクリーンに対峙しながらの仕事が圧倒的に増えるなか、アナログそのものの水に触れることでストレス軽減になるかもしれない。


水は人を快適にする一方で、水まわり製品のメンテナンスや品質には気を遣う。セラトレーディングでは、設立から30年以上、国内とは規格や文化の異なる海外の製品を多く取り扱ううえで、その品質管理やアフターサービスを重要なテーマとして安心の提供に努めてきた。



「お客様が当社を選んでいただいている大きな理由の一つだと思います」と宮本氏。TOTOのグループカンパニーとして、グループの持つノウハウや技術を生かし、独自の基準を設けることで、国内市場でもきちんと受け入れられる販売展開をしてきている。

[C-BONDED]への思いを語るセラトレーディング宮本氏。
[C-BONDED]への思いを語るセラトレーディング宮本氏。


L-CUBE[C-BONDED]は、洗面としての確かな機能と、家具的な佇まいを高い次元で両立させている。水まわりを設備や機器として閉じ込めず、より人に近い場所へ解放したと言っていい。


L-CUBE[C-BONDED]カシミアオーク サイズ:w1000×d480×h500㎜、価格:574,000円(水栓金具、止水栓を除く、本体のみ)
L-CUBE[C-BONDED]カシミアオークサイズ:w1000×d480×h500㎜、価格:574,000円(水栓金具、止水栓を除く、本体のみ)

セラトレーディング株式会社

資料請求する

RELATED ISSUES

一覧に戻る

PAGETOP