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内装材としての
意匠性ステンレス鋼「NSSC FW2」

2019.10.28 | INFORMATION

ステンレス鋼はさびにくい鋼として広く知られ、優れた耐食性や意匠性により、建築はもちろん家電や生活用品など、世の中の多彩な場所で身近に利用されている。 日鉄ステンレスは、日本製鉄グループとして2019年4月に新たに発足したステンレス鋼の専門会社であり、ステンレス鋼の分野では国内のトップブランドとなる。 ステンレス鋼はクロムやニッケルなどのレアメタルを含んだ合金だが、レアメタルは資源の産出量が少なく、かつ産出可能な地域が偏在しがちで、市場価格が変動しやすい。



東洋ステンレス研磨工業の技術により、黄色味がない金属らしいクールな清廉さが印象的な壁面。鏡面加工との組み合わせでオリジナルの模様も表現できる
東洋ステンレス研磨工業の技術により、黄色味がない金属らしいクールな清廉さが印象的な壁面。鏡面加工との組み合わせでオリジナルの模様も表現できる


同社では、長年の研究・開発によって独自の省資源ステンレス鋼の製品化に成功し、2010年から「NSSC FW(フォワード)」シリーズとして展開している。最大の特長は、ごく微量の錫を添加することで性能を確保し、クロムやニッケルなど、レアメタルの使用量を大きく削減したことだ。価格の安定・低減にもつながり、また、レアメタルの削減によって省資源で地球にも優しい製品として次世代型のステンレス鋼としても活躍が期待できる。



マット調に研磨することで、照明が当たっても優しく吸収し、室内空間を優しく演出することも可能だ。清潔感もあり、空間に引き締まった印象を与えてくれる 写真提供:東洋ステンレス研磨工業
マット調に研磨することで、照明が当たっても優しく吸収し、室内空間を優しく演出することも可能だ。清潔感もあり、空間に引き締まった印象を与えてくれる 写真提供:東洋ステンレス研磨工業


一般に内装で用いられるステンレス鋼はSUS304やSUS430が大半である。「NSSC FW2」はSUS304の代替を想定したもので、耐食性は同等、加工性も良好で、磨きやヘアラインなど建築用の表面仕上げも同様にできる。 福岡県弁護士会館(2019年)の内装材には「NSSC FW2」が使用された。高度な研磨技術によって福岡県の伝統模様である博多献上柄をオマージュし、金属素地のシャープな印象でありながら柔らかさを演出し、奥行きのある表情、言わば福岡らしさを表現した。



また、SUS304にわずかに見られる黄色味がなく、より金属らしいクールな清廉さがあるのも特長である。研磨仕上げにより、美しさを際立たせた「ホワイトステンレス」だ。 「NSSC FW2」と研磨技術との融合による高い意匠材がデザイナーの要望を具現化し、ステンレス鋼の可能性を広げるものになる。



福岡県弁護士会館(2019年)の内観は明るく清潔感のある内装になっている。“弁護士”という堅いイメージを払拭する柔らかい空間が迎え入れてくれる
福岡県弁護士会館(2019年)の内観は明るく清潔感のある内装になっている。“弁護士”という堅いイメージを払拭する柔らかい空間が迎え入れてくれる

日鉄ステンレス

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