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暮らしを支える新しい工務店という存在

2019.10.07 | INFORMATION

戦後まもなく奈良せ創業、そこから4代目になる北条愼示氏が代表を務める北条工務店。不動産や土木など地域の街や家づくりに携わりながら、先代から工務店として株式会社化し、現在は住宅の新築およびリノベーションや店舗など関西エリアで年間40棟ほど手掛ける。すべて設計・施工の一括受注だ。愼示氏が今の立場になり。より時代に適した会社のあり方を志向している。



奇数月に開催される「HJ MARCHÉ」のワンシーン。地域に開かれた工務店の姿勢は極めて現代的だ
奇数月に開催される「HJ MARCHÉ」のワンシーン。地域に開かれた工務店の姿勢は極めて現代的だ



一つはクライアントとのコミニケーションのあり方だ。多くのエンドユーザーは専門知識も少なく、自らのイメージや要望を的確に言語化できない。同社で重視しているのが「汲み取り力」。マニュアルに頼るのではなく。ただ施行を請け負うだけではなく、顧客の希望を丁寧に汲み取って、嗜好を基にリサーチを行い、具現化へ導くコンサルティングを行う。



設計や現場の橋渡し役として、経営企画部に専門のスタッフを置くことにより、建築や設計のプロではないが、故にユーザーの満足度に大きく貢献している 。また、社員20人規模の工務店でありながら、ブランディングを強化した。70年以上続く会社の伝統や、施工まで責任を持つ堅実性や骨太感、そしてユーザーを満足させる高いデザイン性 。そうした会 社の特 徴 を専門家に依頼し、CIやBIに落とし込み、規定化した。顧客や市場、社会に対するコミュニケーションデザインである 。



かつての高級住宅をホテルにリノベーションした実例 。同社の施工エリアではこうした案件が増えつつあり、今後もさらなる展開が待たれる
かつての高級住宅をホテルにリノベーションした実例 。同社の施工エリアではこうした案件が増えつつあり、今後もさらなる展開が待たれる


2012年からは、「暮らしの種をまく」として、家づくりのハードの部分だけでなく、その周辺、ライフスタイルの有り様につながる提案を始めている。ワークショッップや料理教室などを開催する「HJ SCHOOL」や、ファーマーズマーケットである「HJ MARCHÉ」を開催。地域や潜在顧客へのメッセージでもあり、ブランドイメージを育んでいく。



今後は工務店という役割を起点とした、「残す仕事」を目指している。かつての高級住宅街に取り残された邸宅をホテルとしてリノベーション し、運営も手掛ける計画だ。古い建物が価値のあるストックになるかどうかは、建物の見立てや目利きが必須で、「自分たちだからできる仕事」として独自性を見出す。暮らしを囲むハードとソフトどちらにも目を向け、これまでの「工務店」とは異なる、新しいものづくりのブランドを目指す。

北条工務店

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