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上質で精緻な
ミュージアムライティング

2019.08.13 | INFORMATION

YAMAGIWAは、1923年現在の外神田の地に創業し、1954年には照明器具の取り扱いを開始。その10年後の1964年には照明外商部を設立し、オフィスや店舗、ホテルなどの照明を手掛けている。1960年代後半には照明器具メーカーとして、自社製品の開発・製造を始めた。



美術館、博物館など展示施設の照明計画については、1969年の国立近代美術館が最初となる。当時、光の量を求めていた世の中で、光の質を追求したライティングデザインを進めていた同社は、建築家に注目を集め、支持された。
他では追随できない取り組みは、プランニングデザインセンター(PDC)とテクニカルエンジニアリングセンター(TEC)という組織にも象徴される。PDCは空間の用途に応じて、専門のスタッフがテーマやコンセプト、更に細かい配灯やフォーカシングまで担当するプロフェッショナルだ。多くのライティングデザイナーを輩出したことでも知られる。TECはプロジェクトに応じた特別な仕様の器具やライティングオブジェなどの製作にあたる。YAMAGIWAでは自社製品のみならず、海外の輸入器具なども扱ってきたが、汎用的でオールラウンダーになりがちな既製品では満たされない、よりきめ細かい空間に合わせたスペックを実現するのがTECだ。歴史建築の改修などでは照明器具の時代考証や最適化にもあたる。



京都国立博物館 平成知新館の正面ファサードおよび展示室。建築設計は谷口吉生氏
京都国立博物館 平成知新館の正面ファサードおよび展示室。建築設計は谷口吉生氏


ハード、ソフトともに知り尽くした長年の実績と経験が、より高度で上質な光のデザインが求められる建築・空間での採用につながっている。
展示施設における照明は、店舗やオフィスなどに比して長期的な視点による計画が必要なことと、さらに専門的な見識―展示物毎に必要な照度、色温度、演色性、照射時間など―が要求され、より繊細で適切なプランニングが欠かせない。例えばDuv(色偏差)という指標では同じ色温度でも見え方が異なるため、細かく調整が必要だ。LEDパッケージから製造できるため、器具やモジュールに反映できる。時には学芸員に直接光を見て比較してもらうという。



美術館用高品質スポットライト「Museum Spotlight CERO」。超高演色VIOLEDを使用し、調光・調色が可能。先端のミラーユニットを取り換えることで配光を選択できる YAMAGIWAは2019年9月1~7日に京都で開催されるICOM(国際博物館会議)にも出展する。展示は9月2~4日にメイン会場である国立京都国際会館にて行われる
美術館用高品質スポットライト「Museum Spotlight CERO」。超高演色VIOLEDを使用し、調光・調色が可能。先端のミラーユニットを取り換えることで配光を選択できるYAMAGIWAは2019年9月1~7日に京都で開催されるICOM(国際博物館会議)にも出展する。展示は9月2~4日にメイン会場である国立京都国際会館にて行われる


ひとつの美術館・博物館をつくる上で、施主、学芸員、設計事務所、ライティングデザイナー、施工会社、さまざまな職能を持つ人とともに照明計画を検討する作業は欠かせない。そこに展示照明に関する長年の知見やスキルを持つTEC、PDCを含めたチームが加わることで、最適解を導きだしている。トータルで照明を知り尽くした同社ならではのスキルが発揮されている。



YAMAGIWA

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