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菊川工業
金属加工がもたらす高い付加価値とデザイン性

2019.06.03 | INFORMATION

近代建築の象徴ともされる「鉄・ガラス・コンクリート」という工業素材。特に鉄を始めとした金属材料は、性質上建築と相性が良く、20世紀以降構造や屋根・外壁などさまざまな活用がなされてきた。強度や耐候性、加工のしやすさといった機能面だけでなく、メッキ、研磨など多種多彩な表面処理で得られる高い意匠性も重要な価値だ。



1933年創業の菊川工業は、建築向けの金属加工一筋で高い実績を積み上げてきた。フジテレビ本社ビル(丹下都市建築設計)の球体展望室や水戸芸術館(磯崎新アトリエ)のシンボルタワーなど、著名建築での採用も数多い。



プレス機、レーザー切断機など同社が保有する大型加工設備との組み合わせでさまざまな製作物が可能となる
プレス機、レーザー切断機など同社が保有する大型加工設備との組み合わせでさまざまな製作物が可能となる


長年に渡る日本の建築家との協働で得たノウハウをもとに、近年はインテリアや海外での採用も増えている。これまではオーダーを受けて、ケース毎に最適・最良な製作に努めてきたが、そこで得た知見を広く他のプロジェクトにも生かそうという意識も高まった。2017年からはファサードやインテリアに特化したプロジェクトチームを設置、2019年にはプロジェクト開発部となった。



そうした成果の一つとして、銅やアルミに施す「槌目」を仕上げのラインアップとした。昨年3月に販売開始し、見本帳も製作した。伝統工芸で用いられる槌目模様を工法化し、コスト・納期を低減したものだ。一部を機械化しながら、職人の手業はあえて残し、コンピューテーションが進んだ建材があふれるなか、職人技によって人の感情を揺さぶる非均質的なテクスチャーとした。最近採用された東京の事例では、2m×1mの銅パネル100枚以上が、高さ17mという店内のシンボル的な存在を覆った。取り囲む花びらのオブジェも同社で製作したものだ。



一打一打の手業による槌目(ハンマートーン)加工
一打一打の手業による槌目(ハンマートーン)加工


建築・内装のマテリアルは、高度に効率化・工業化が進み、一部はコモディティー化している。そうした中でも、むしろそういう状況ゆえ、より高い付加価値や技術を求める施主や建築家、デザイナーがいるのも確かだ。同社ではオーダー通りに製作できるという立ち位置を超え、デザイナー・建築家のイメージを喚起する、モノづくりの側だからできる提案型のプロジェクトに力を入れる。金属を中心にトータルで空間デザインを支えるものだ。金属について知り尽くし、優れた設計者の発想力に長年触れてきた経験が花を咲かせ、新しいデザインとして実を結ぶことを期待する。



使用するハンマーの大小や力加減によって金属板に多様な表情を与えることができる
使用するハンマーの大小や力加減によって金属板に多様な表情を与えることができる

菊川工業株式会社

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