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商店建築 創刊60周年記念・大阪セミナー 「中之島で語ろう、素晴らしき商空間デザイン」

2016.08.01 | REPORT

商店建築の創刊60周年を記念するセミナーが、大阪市中央公会堂で開催された。前半は大阪を拠点として、力強い造形の店舗空間を手掛けてきた野井成正氏(野井成正デザイン室)の基調講演、後半には野井氏と同じく大阪を中心に活動する若手デザイナー、池田励一氏(池田励一デザイン)、小倉寛之氏(ドロワーズ)、隈元誠司氏(デザイングラウンド55)、松村憲佑氏(コクーンデザイン) の4人を交えての座談会を実施。司会を小誌編集長・山倉礼士が務め、国の重要文化財でもある歴史的空間の中でセミナーは進められた。

第一部の野井氏の基調講演では、2011年中之島デザインミュージアムで開催された個展「野井成正の表現ー外から内へ/内から外へ」のスライドから始まり、バー「川名」(15年9月号、93年5月号)や「花串」(85年6月号)など、1970年代までさかのぼりプロジェクトの解説や当時のエピソードが語られた。



続いて第二部では4人の若手デザイナーによる、これまでの代表的な仕事と最新事例がスライドに映し出された。竣工間近のプロジェクトも一部紹介されるなど貴重な内容。4人のプレゼンに対して野井氏は次のように話した。



「私は即興性や素材を意識してデザインをしてきた。彼らの仕事からは、既成のものを編集し、アクセントとして取り入れる現代の流れを感じる。時間も費用も掛かるダイナミックな造形をするには厳しい世の中になってきたのだ、とも感じる」



「流行のデザインを求められたらどうするか」という隈元氏からの質問に対して、野井氏は「何でも流行やオーナーの希望に即してつくることは、自分の役割ではないと考えている。それを理解してもらった上で、ローコストであってもデザインの意図とその優先順位を明確にして提案することが大事」と答えた。



デザイナーとしての立ち位置を改めて示す野井氏の言葉で、本セミナーは幕を閉じた。



会場/大阪市中央公会堂(大阪・中之島)
開催日/2016年6月24日
協賛(順不同)/㈱遠藤照明 オスモ&エーデル㈱ ㈱グローバル ㈱三栄水栓製作所 ㈱サンワカンパニー ㈱盛光SCM 大光電機㈱ 東リ㈱ ㈱平田タイル マックスレイ㈱ ㈱ユニオン ㈱ロイヤル
撮影/下村康典

野井成正氏/野井成正デザイン事務所
1944年大阪生まれ。1965年ごろより店舗設計、エキシビションデザイン、ディスプレイデザインに携わる。1982年に「野井成正デザイン事務所」を設立。店舗や家具、プロダクトのデザインを中心に、様々なクリエイティブワークを手掛けている。

池田励一氏/REIICHI IKEDA DESIGN
1981年滋賀県生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒業。 インフィクス、乃村工藝社などを経て、2011年「池田励一デザイン」設立。 商業空間、会場構成、住宅などの多岐にわたるデザイン・ディレクションを行う。単なる装飾的な思考ではなく、あらゆる情報や状況を積み重ねていくことで、導き出されるデザインをコンセプトに取り組んでいる。

小倉寛之氏/DRAWERS
2001年、京都造形芸術大学 芸術学部/環境デザイン学科卒業。2001年から2011年、cafe co.に在籍。その後、2011年5月にDRAWERS設立。レストランやカフェ、ショップなどの商空間デザインを中心に、家具デザイン等まで幅広く手掛けている。

隈元誠司氏/designground55
1975年鹿児島県奄美市生まれ。97年東亜大学芸術学部卒業。同年東京のデザイン会社に就職。98年語学留学の後、バックパッカーとして米国を旅する。99年に帰国後、東京のデザイン会社に復職。2005年大阪へ移住。07年にdesignground55設立。

松村憲佑氏/COCOON DESIGN INC.
1983年大阪生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒業。リックデザインを経て、2009年に「コクーンデザインオフィス」として独立。2014年に株式会社コクーンデザインを設立。商業、商いをベースとしたインテリアデザイン事務所であり、 “流行る”ために何をすべきか、客単価、立地、業態、予算に合わせたデザインを構築している。

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