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1870年に創業し、フローリング業界のリーディングカンパニーとして、高品質かつ個性的なフローリング製品を多く生み出してきたikuta。無垢材フローリングの製造を始め、大手メーカーの複合フローリングをOEMで製造するなど、長い歴史の中で、日本のフローリング業界をけん引する存在として、信頼と実績を積み重ねてきた。2004年にスタートした自社ブランドでは、多様なフローリングづくりの中で培ってきたノウハウを生かし、機能性や耐久性、意匠性を追求した製品を開発。無垢を超えたプレミアム複合フローリングは、住宅を始め、ハイエンドな商業空間など、さまざまな場所で採用されている。

その同社が新たに開発したのが、複合フローリングでパネル型の「フレンチヘリンボーン」だ。フレンチヘリンボーンは、空間をラグジュアリーに演出できる意匠性から人気の高い仕上げである一方、施工できる職人の数が少なく、施工時間やコストが掛かるため、導入を諦めてしまうケースが多い。

しかし「フレンチヘリンボーン複合フローリング」は、1818×303×t12㎜のパネル型になっているため、通常のフローリングと同様に貼ることができる。従来、ヘリンボーン貼りは1坪程度を仕上げるのに1日掛かるケースもあるが、同じ範囲を約6枚のパネルを設置するだけで済むのは、施工時間、職人の貼り手間、コストの面でもメリットが大きい。

また、同製品の最大の特徴と言えるのが、パネルを長方形ではなく、平行四辺形に加工している点。ヘリンボーンで基本的な45度の角度で板が並び、その角度を短手の端部で垂直にカットせず、そのまま生かしている。つまり、長い距離にパネルを複数並べた時、継ぎ目が見えなくなるということだ。

広範囲でフローリングを貼ることの多い商業空間で、パネルであることを感じさせずに仕上がるのは利点と言える。表面材は商業施設でも導入されやすい厚さ2㎜の無垢挽き板材を使用し、樹種はウォールナット、チーク、ナラがそろう。同製品は今年7月に発売を予定している。

ikutaが生み出すイノベーションは、伝統文化の継承にも及んでいる。空間に華やかさを創出する箔フローリング「匠ジャパン」は、江戸時代から石川・金沢の代表的な産業として受け継がれてきた「縁付金箔」と、高度かつ繊細な織りでつくられる西陣織の「金銀箔」、そこにikutaのフローリング製造技術が融合して生まれたもの。全5種類がそろう箔の仕上げは、高級感がありながらもしっとりと落ち着いた質感を表現し、ラグジュアリーな店舗から、空間のアクセントとしてワンポイントで用いることもできるだろう。

質感やデザインと共に、耐久性やメンテナンス性を持ち合わせた製品が求められる中で、高度な技術を機能的なフローリングに昇華するikutaの製品に注目したい。

金属箔の美しく繊細な質感をフローリングに取り込んだ「匠ジャパン」。厚さは0.0001㎜の金箔を、木目を目立たせた浮造りのタモ材に、凹凸をそのまま生かすように貼っている。ikutaの持つフローリングのコーティング技術により、高い耐久性も確保。金箔の他、高度な製造技術を要する「プラチナ箔」、落ち着いた風合いが特徴の「沈金ゴールド」と「沈金プラチナ」、重厚感のある「銀切廻し」の5種類を展開する。