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いま広がる照明器具としての有機EL
「エコリカ FLEXIBLE & RIGID シリーズ」

2018.06.04 | INTERVIEW

プリンターのインクカートリッジ再資源化やLED照明の販売を手掛けてきたエコリカが、昨年から有機EL(OLED)照明の取り扱いを開始した。日本ではまだ浸透しているとは言い難い有機EL照明だが、海外では実用的な照明器具として使用するケースも増えてきた。エコリカで企画開発を担当する波多野光さんに、有機EL照明の現状と可能性について聞いた。

面で優しく光り、薄くて、曲げられる

そもそも有機ELとは何だろうか。LEDが普及し始めた2008〜09年頃には存在しており、当時は次世代の照明はLEDか有機ELかという議論もなされた。だが現在、日本において、有機ELは身近な光源というよりは、有機ELテレビのディスプレイなどを思い浮がべる消費者が多いだろう。しかし、海外に目を向けて見ると、ガス灯の温かな光を好んできた歴史を持つ欧米や、有機ELの世界最大の生産国である韓国では、光源としての人気が高まっており、既に実用化が進んでいる。照明として使用される有機ELパネルの6割を占めるのは車載向けで、欧州の高級車ではテールランプに有機ELを用いるのがトレンドだ。家具メーカーにも多く有機ELパネルが出荷され始め、これらが照明としての有機ELの普及をけん引している。

その大きな理由は、有機ELの発光の仕組みにある。有機ELは、電子輸送層、発光層、正孔子輸送層の3層で構成されている。その3層を重ねた有機発光層をプラスとマイナスの電極で挟むと、電荷を持つ正孔と電子が注入され、エネルギーを光として放出する。この仕組みにより、有機EL照明は、「面で光る」「優しい明かり」「薄い」「曲げられる」という四つの特長を備える。

まず、「面で光る」について波多野さんは、「面光源のため点光源のLEDのようなギラギラとしたまぶしさやツブツブ感を感じさせません」。自然光のように広範囲に均一な光を照射し、強い影もできにくい。「優しい明かり」は、太陽光の波長成分に近いスペクトルを持つため、他の光源よりも対象物の色合いを自然に見せることができる。また、有機ELが発する光は紫外線を含まず、ブルーライトが少なく、人間の目や肌にも優しい。発熱もほぼ無いので、基本的にヒートシンクやアルミ基板を必要としない。


有機ELは薄く発熱もしないため、棚板に仕込むといった使い方もしやすい
有機ELは薄く発熱もしないため、棚板に仕込むといった使い方もしやすい


「薄さ」については、有機ELのパネル自体が1㎜以下と極薄なので、取り付けるというよりも、貼り付ける感覚で設置できる。スペースに制約されない自由な空間づくりをすることができる。 最後の「曲げられる」は、フレキシブルに曲げて樹脂やアルミの板に貼り付ければ、複雑な形状の面に設置しやすい。光源自体を湾曲させて照明器具にすることも可能だ。


30cm角の「FLEXIBLE(フレキシブル)」シリーズ。簡単に手で曲げられる薄さだ。デザイナーの発想次第で使い方が広がる
30cm角の「FLEXIBLE(フレキシブル)」シリーズ。簡単に手で曲げられる薄さだ。デザイナーの発想次第で使い方が広がる

有機ELがデザインの幅を格段に向上させる

エコリカでは、日本でも有機ELテレビなどで有名な世界最大の有機ELパネル製造メーカーであるLGディスプレイの照明用有機ELパネル(Luflex)を使った、有機EL照明の開発・生産を行っている重友(ジョンウー)M-Tech社(韓国)と業務提携し、国内での販売を開始した。


エコリカが手掛ける有機EL照明には、大別して二つの商品ラインアップがある。素材としての有機ELパネルと、照明器具として製品化したシリーズだ。パネルには、自由な形状に曲げられる「FLEXIBLE」と、曲げずにフラットに使用する「RIGID」の2タイプがある。現在サイズは、「FLEXIBLE」が4種類あり、最大で300×300㎜。「RIGID」が円形を含めた5種あり、最大で400×50㎜。厚みは「FLEXIBLE」が0.41㎜、「RIGID」でも0.88㎜と極薄だ。気になる照度は、300✕300㎜サイズで最大750ルーメンあり、今回、取材で訪れたエコリカ社内の10人掛けテーブルが置かれた会議室の天井には、200✕50㎜の「RIGID」5枚使った「LINE(BA5)」という照明器具が15基設置されていたが、十分な明るさが確保されていた。調光も可能で、色味は3000ケルビンの電球色と、4000ケルビンの白色の2色が用意されている。


エコリカ社内会議室の吊り照明「LINE(BA5)」。レクタングルタイプの「RIGID」を5枚用いて1ユニットを構成。均質な明るさが確保し、快適なオフィスワークを可能にする
エコリカ社内会議室の吊り照明「LINE(BA5)」。レクタングルタイプの「RIGID」を5枚用いて1ユニットを構成。均質な明るさが確保し、快適なオフィスワークを可能にする

オフィスやホテルから物販什器まで

これら素材としての有機ELパネルに加えて、もう一つの照明器具シリーズでは、デスクランプ、ランタン、ベース照明などがそろう。中でも、鳥をモチーフに「FLEXIBLE」でつくられた「BIRD」は代表的な製品だ。「ソウルのLGサイエンスパークの1階エントランスホールには、天井から300個の『BIRD』が吊られています。鳥の大群のようで圧巻です」(波多野さん)


また、エコリカでは、試作用の有機EL照明パネルの販売にも対応している。


「パネルだけでなく、電源を取り付けた状態でも納品できます。家具やディスプレイ什器などあらゆるところに埋め込むことができるので、是非試していただきたいです。有機ELの明かりは、長時間滞在するオフィスやホテルはもちろん、学校や図書館などの教育施設、クリニックやエステサロンなどでも安心して使うことができます。紫外線を含まない光なので、生鮮食品を置くスーパーや飲食店、本革やデリケートな繊維製品を置くブティック、美術館や博物館で美術品を照らすのにも有効です。近年、生産効率が上がり、それと同時にコストも下がってきました。気軽にお問い合わせ下さい」(波多野さん)。


これまで、ロン・アラッドやロス・ラブグローブといった世界的なデザイナーも、LGディプレイの有機ELを用いた斬新な照明器具を発表している。面で光り、優しい明かりで、薄く、曲げられる有機EL照明は、商業施設における照明と空間デザインの幅を格段に向上させてくれるだろう。

まずは実際にショールームで有機ELの明かりを体験してみよう。明るさや薄さは一目瞭然だ。



ロス・ラブグローブのデザインによる有機EL照明「COSMOS」。2017年に発表された
ロス・ラブグローブのデザインによる有機EL照明「COSMOS」。2017年に発表された



東京・水道橋にあるエコリカのショールーム。実物を見ることができる
東京・水道橋にあるエコリカのショールーム。実物を見ることができる

株式会社エコリカ

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